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見本検査

□ 見本検査制度とは

 認定手続が執られた貨物(疑義貨物)を権利者自ら検査をしないと自己の主張を裏付ける証拠・意見を提出することができない場合、輸入者への意見を述べる機会の付与、権利者の費用・危険負担・見本検査に係る供託及び検査により得られた情報の使用制限、税関職員等の検査への立会い等を条件に、税関が権利者に疑義貨物の見本を提供し、権利者による分解(分析)検査ができるという制度です。なお、見本検査が承認されても、通関解放までの期間が延長されるものではありません。《関税法第69条の16同施行令第62条の24、25、26

 

□ 見本検査の一般的な流れ

(見本検査の手順)
 輸入差止申立が受理された権利者は、認定手続が執られている間に限り、税関長に対し、見本検査を承認するよう申請することができます。

 権利者は「見本検査承認申請書」に「認定手続開始通知書(権利者用)」の写しを添付して申請します。見本検査を第三者に委託する場合には、委託を受けた者の氏名又は名称及び住所並びに委託する理由を同申請書に記載し、委託を証する書面を添付する必要があります。

 税関は、見本検査承認申請があった場合、その旨を輸入者へ「見本検査承認申請通知書」により通知します。

(輸入者から意見聴取等)
 見本検査承認申請があった場合、3執務日以内に限り、輸入者は当該申請について意見を述べる機会が与えられます。なお、その際見本返還の要否及び見本検査に係る供託等についても確認されます。

(見本検査に係る供託)
 見本検査した疑義貨物が非侵害と認定された場合に、輸入者が被るおそれのある損害の賠償を担保するため、 税関長が見本検査の申請者(権利者)に対して、原則として供託命令を行います。

 供託額は次に揚げる額を合算したものとなります。

申請者に交付する見本の課税価格並びに関税及び内国消費税(地方消費税を含む)に相当する額

当該見本が輸入できないことにより輸入者が被る逸失利益の額(見本の課税価格の20%程度を目安に算定する。)

以上のほか、当該見本が輸入できないことにより輸入者が被るおそれのある損害の額


 ただし、供託額が千円程度以下と見込まれる場合にはこの限りではありません。

 供託命令は「供託命令書」を交付することにより、通知します。その命令書の日付の日の翌日から起算して3日以内が期限となります。

(見本検査の承認等)
 次の要件を満たす場合は、見本検査が承認されます。

証拠・意見提出に必要があると認められること

輸入者の利益が不当に侵害されるおそれがないと認められること

不当な目的に用いられるおそれがないと認められること

見本の運搬、保管、検査その他見本の取扱いを適正に行う能力・資力を有すると認められること


 要件が満たされ、かつ、上記供託が行われた場合は、見本検査が承認され、その旨権利者と輸入者に通知されます。(輸入者には検査場所、日時も通知されます。)

(見本検査の立会申請等)
 輸入者は、「見本検査立会い申請書」を提出のうえ、見本検査に立ち会うことができます。権利者にはその旨を通知します。

(見本検査と秘密保持義務)
 権利者は、見本の運搬、保管又は検査の費用その他必要な費用を負担しなければなりません。

 また、見本検査その他見本の取扱いにおいて知り得た事項を、みだりに他人に知らせ、又は不当な目的で使用してはいけません。(関税法第69条の12第7項

(見本の返還等)
 「見本返還不要同意書」の提出がある場合は、税関が当該見本に係る疑義貨物について侵害の該否の認定をするまでの間、当該見本は権利者が保管することになります。侵害物品と認定されたときは、速やかに税関へ返還しなければなりません。非侵害と認定されたとき、又は、認定の前に通関解放が行われたときは、当該貨物の輸入許可後に権利者が処分することになります。

 「見本返還不要同意書」の提出がない場合は、権利者による検査の終了後速やかに当該見本を税関へ返還しなければなりません。