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歴史

侵害物品取締制度の歴史
〜 輸入禁制品として100年余の歴史あり 〜

 

知的財産権侵害物品の水際取締制度の変遷
○1897年(明治30年) 現行関税定率法の前身となる旧関税定率法の制定
同法附属税表は、第一種有税品、第二種免税品、第三種禁制品という構成で、禁制品に属する物品の一部として「特許意匠商標及版権ニ関スル帝国ノ法律ニ違反シタル物品」を規定
○1899年(明治32年) 旧関税定率法の施行
○1906年(明治39年) 実用新案権侵害物品が禁制品に追加され、版権を著作権に改正
○1910年(明治43年) 特許権、実用新案権、意匠権、商標権及び著作権を侵害する物品に改正
○1954年(昭和29年) 侵害物品に対する没収・廃棄、あるいは積戻し命令の規定を追加
○1970年(昭和45年) 著作隣接権侵害物品を禁制品に追加
○1992年(平成 4年) 知的所有権の貿易関連の側面に関する協定「TRIPS協定」の成立に先行して自主的にその内容に対応しつつ、侵害物品の没収に至る手続(認定手続)を整備(通達改正)
○1994年(平成 6年) TRIPS協定の成立
【法改正、政令改正、省令改正、通達改正:TRIPS協定を踏まえた国内法制整備】(平成7年1月1日施行)
認定手続を法制化
認定手続における点検機会を付与
商標権、著作権、著作隣接権について輸入差止申立制度を導入
申立供託制度を導入
回路配置利用権を侵害する物品を輸入禁制品に追加
○1995年(平成 7年) TRIPS協定の発効
取締体制として、大蔵省関税局に知的財産専門官、税関に知的財産調査官を設置
○2001年(平成13年) 【通達改正】
・認定手続中の疑義貨物について積戻しのための輸入申告の撤回を認めないことを規定
○2002年(平成14年) 【通達改正】
・輸入差止申立書等の提出部数を大幅に削減(120部→9部)
・輸入差止申立ての段階的受理(一部受理を可能化)
・輸入差止申立て等の前提条件となる「侵害の事実」の存在を海外で侵害物品が確認されていれば十分である旨緩和 等
○2003年(平成15年) 【法改正、省令改正、通達改正】(平成15年4月1日施行)
・育成者権侵害物品を輸入禁制品に追加
特許権、実用新案権、意匠権、育成者権を輸入差止申立ての対象に追加
特許庁長官への意見照会制度を導入
通関解放制度を導入
・輸出貿易管理令に基づく輸出承認の対象を、「商標権を侵害する物品」から「認定手続が執られた貨物(積戻命令がされたもの、非該当認定されたもの、認定手続が取りやめられたものを除く)」に改正
○2004年(平成16年) 【法改正】(平成16年4月1日施行)
・認定手続開始通知の際に権利者及び輸入者に通知する事項を追加
(権利者に対しては貨物の輸入者、仕出人及び生産者の氏名等を、輸入者に対しては権利者の氏名等を通知)
○2005年(平成17年) 【法改正】(平成17年4月1日施行)
申立人による見本検査制度を導入
・育成者権侵害物品についての税関から農林水産大臣への意見照会制度を導入
【法改正】(平成18年3月1日施行)
・不正競争防止法違反物品(周知表示混同惹起、著名表示冒用、形態模倣:同法第2条第1項第1号から第3号までに掲げる行為を組成する物品)を輸入禁制品に追加
○2006年(平成18年) 【法改正】(平成18年4月1日施行)
関税定率法の「輸入禁制品」の規定を関税法の「輸入してはならない貨物」の規定に移行
輸出入に係る差止申立て及び認定手続の際に、税関が必要に応じ有識者(専門委員)に意見を聴く仕組みを導入
・特許庁長官への意見照会について、輸出入者からの求め及び税関による職権照会制度を導入
【法改正】(平成18年6月1日施行)
・育成者権侵害物品を輸出してはならない貨物に追加(輸出について農林水産大臣への意見照会制度を導入)
【通達改正】(平成18年7月1日施行
侵害疑義物品の数量の多寡に関わらず、原則として認定手続を執ることを明確化
・輸出入差止申立ての受付時にその内容を公表し、利害関係者から意見を求め、利害関係者から意見が出された場合は、専門委員の意見を聴取することとした
【法改正】(平成19年1月1日施行)
・特許権、実用新案権、意匠権又は商標権を侵害する物品及び形態模倣品等不正競争防止法違反物品(同法第2条第1項第1号から第3号までに掲げる行為を組成する物品)を輸出してはならない貨物に追加
○2007年(平成19年) 【法改正】(平成19年6月1日施行)
禁止品輸出入罪に係る罰則水準を引上げ(5年以下の懲役若しくは5百万円以下の罰金、併科→7年以下の懲役若しくは7百万円以下の罰金、併科)
【政令改正】(平成19年6月1日施行)
・認定手続を簡素化(10執務日以内に輸入者から争う旨の意思が示されない場合に、権利者及び輸入者からの証拠・意見の提出を不要とする仕組み)
【通達改正】(平成19年6月1日施行)
・画像送信(侵害疑義物品の画像をメールで権利者及び輸出入者に送信すること)の基準を明確化
【法改正】(平成19年7月1日施行)
・著作権及び著作隣接権を侵害する物品を輸出してはならない貨物に追加
○2008年(平成20年) 【法改正】(平成20年4月1日施行
・従来9税関に対して行う必要があった差止申立てを、1つの税関に対して行えば、全国の税関で取締りを可能化
【通達改正】(平成20年4月1日施行)
差止申立書の提出部数を削減(9部→1部)
【法改正】(平成20年6月1日施行)
・我が国を経由して第三国へ輸送される知的財産侵害物品を取締対象(罰則の対象)に追加
○2009年(平成21年) 【通達改正】(平成21年4月1日施行)
画像送信の基準を緩和
(数量)疑義物品が5個以下→10個以下、(距離)権利者の所在地から税関官署への所要時間が2時間以上→撤廃
○2010年(平成22年) 【法改正】(平成22年6月1日施行)
禁止品輸出入罪に係る罰則水準を引上げ(7年以下の懲役若しくは7百万円以下の罰金、併科→10年以下の懲役若しくは1千万円以下の罰金、併科)
○2011年(平成23年) 【法改正】(平成23年12月1日施行)
・技術的制限手段無効化装置(不正競争防止法違反物品)を輸出してはならない貨物、輸入してはならない貨物に追加
○2012年(平成24年) 【通達改正】(平成24年4月1日施行)
・画像送信の基準を緩和
(数量)疑義物品が10個以下→撤廃
○2013年(平成25年) 【通達改正】(平成25年4月1日施行)
・画像送信の基準を緩和
(申立ての有無)差止申立書が受理されている知的財産に係るものであること→撤廃

・商標権に係る差止申立書の添付資料を簡素化
【通達改正】(平成25年7月1日施行)
・輸入差止申立書(権利・品名・侵害理由追加)を導入
○2014年(平成26年) 【通達改正】(平成26年4月1日施行)
・申立ての有効期間が短くなる権利を追加する輸入差止申立てを可能化
・「認定(没収)通知書」(知的財産侵害物品に該当する旨の認定及び没収を同時に通知する税関様式)について、使用範囲を簡素化手続のみから通常手続にも拡大
○2015年(平成27年) 【政令改正】(平成27年4月1日施行)
輸出入差止申立ての有効期間を延長(最長2年→最長4年)
認定手続における権利者等の意見・証拠提出を電子化
○2016年(平成28年) 【法改正】(平成28年6月1日施行)
営業秘密侵害品(不正競争防止法違反物品)を輸出してはならない貨物、輸入してはならない貨物に追加
○2017年(平成29年) 【政令改正】(平成29年4月1日施行)
差止申立ての提出等を電子化
【通達改正】(平成29年4月1日施行)
・「著作権」に著作権法で定められている「無名又は変名の著作物の発行者が行い得る差止請求権」が含まれることを明確化
○2019年(令和元年) 【通達改正】(令和元年7月1日施行)
・知的財産の侵害とはならない例示(「業として」等)を整理
・差止申立てにおける利害関係者意見提出期限を延長(補正できる期間を公表日から25日までに一元化)
○2020年(令和2年) 【通達改正】(令和2年7月1日施行)
・専門委員意見照会を実施しない場合を明確化(「技術等に関する専門的な意見を要しないことが明らか」、「裁判所若しくは特許庁の判断を待つことが真に必要」な場合)
・税関、専門委員、当事者の合意があれば、意見聴取の場を省略できることとした
【通達改正】(令和3年1月1日施行)
・民間から税関へ提出する書類について、押印廃止、代表者名の記載を削除
○2021年(令和3年) 【通達改正】(令和3年4月1日施行)
・育成者権の輸出差止申立書に添付する侵害疎明資料(権利者が農林水産大臣に輸出地域に係る制限の届出を行った場合は、当該資料)を追加
【通達改正】(令和4年4月1日施行)
・育成者権の差止申立てに添付する侵害疎明資料(農林水産大臣の判定結果)を追加
○2022年(令和4年) 【通達改正】(令和4年4月1日施行)
・輸出入差止申立ての受理前公表における、利害関係者意見書の提出期限の延長や意見書の補正の要件を緩和
(「やむを得ない事情がある場合に限り」→撤廃)
・ 輸出入差止申立書に、差止対象物品を特定するための「品名の特定事項」欄を追加
【通達改正】(令和4年7月1日施行)
・専門委員意見照会を実施する場合の事案終了までの目安期間を見直し
・差止申立ての受理・不受理の決定に関する「保留」の選択肢を廃止。専門委員は、意見書作成時点で侵害の事実の疎明が十分と認められない場合は、疎明不十分(不受理とすべき)旨の意見を述べることを明記
・専門委員意見照会の結果については、関係者の意向によらず原則公表
【法改正、政令改正、通達改正】(令和4年10月1日施行)
・海外事業者から国内の事業性のない者に宛てて郵送等で持ち込まれた模倣品(商標権又は意匠権侵害物品)を輸入してはならない貨物に追加
・認定手続において、輸入者が、疑義貨物が侵害物品に該当しない旨を主張する場合には、税関長は、輸入者に対して、その旨を証する書類の提出を求めることができることとした

 

 

(参考)

専門委員制度