Q1 |
差止申立てができる知的財産を教えてください。 |
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輸出入ともに差止申立てができる知的財産は、次の8つです。 @特許権、A実用新案権、B意匠権、C商標権、D著作権、E著作隣接権、F育成者権、G不正競争防止法第2条第1項第1号から第3号まで、第10号、第17号又は第18号の差止請求権等に係るもの。 なお、回路配置利用権については輸入差止情報提供ができます。輸入差止申立てと輸入差止情報提供の違いについては、「差止申立関係:Q10(輸入差止申立てと輸入差止情報提供の違い)」をご覧ください。 |
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Q2 |
差止申立てをするにはどうしたらよいですか? また、差止申立てが受理されるまでにどのくらいの期間がかかりますか? |
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差止申立ては、差止申立書に必要事項を記載し所定の資料を添付して、これらをいずれかの税関の業務部知的財産調査官に提出することにより行うことができます。 また、差止申立てに係る審査は、専門委員に対し意見照会をする場合を除き、受付から1か月以内に終了するよう努めるものとされています。 まずは、各税関の業務部知的財産調査官までご相談ください。(「税関知的財産担当窓口」) |
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Q3 |
差止申立ての手続は弁護士や弁理士に委任する必要はありますか? |
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弁護士や弁理士への委任は必須ではありません。しかしながら、差止申立てにおける各種資料の作成、認定手続における意見書の作成にあたり、一定程度の専門知識が必要となる場合があります。 |
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Q4 |
事前相談の際に必要なものを教えてください。 |
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事前相談の際に以下の3点があると、具体的なアドバイスが可能となります。なお、事前相談では、税関から制度概要のご説明のほか、書類作成のアドバイスもしますので、申立書類の準備は必須ではありません。ご用意するものについて不安があれば事前にご相談ください。 ⑴知的財産の内容が分かる資料(特許庁発行の公報等) ⑵真正品の実物又は写真 ⑶模倣品の実物又は写真 ・(代理人の方のみでのご相談の場合)委任状 |
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Q5 |
知的財産の内容を証する書類とはどのようなものですか? |
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権利によって異なりますが、差止申立書には以下の資料を添付する必要があります。 ・商標権、意匠権、特許権、実用新案権 → 登録原簿の謄本、特許庁発行の公報 ・著作権、著作隣接権 → 権利の発生を証すべき資料(権利の帰属先を証明する契約書等や、広告(公表日などが掲載されたもの)) ・不正競争防止法 → 経済産業大臣の意見書又は認定書 ・育成者権 → 品種登録簿の謄本 |
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Q6 |
相談から受理までどれくらい時間がかかりますか? |
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権利の種類や事案の内容により大きく異なりますので一律な目安をお示しすることは困難です。例えば商標権で比較的論点が少ない事案では相談から3月程度で審査が終了することもありますが、高度な論点があれば長期化することもあります。期間をお示しすることはできかねますが、その事案にどのような論点があるかを面談で相当程度確認することはできます。 |
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Q7 |
差止申立ての有効期間と更新について教えてください。 |
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差止申立ての有効期間は最長4年間(ただし、差止申立ての対象となる権利の特許料又は登録料納付済みの期間が限度となります。)で、申立人の希望する期間を設定することができます。 差止申立ての更新は、差止申立て有効期間の最終日の3か月前から手続を行うことができます。更新期間は上記と同様に最長4年間で、希望する期間を設定することができます。 |
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Q8 |
権利を共有している権利者が単独で差止申立てを行うことはできますか? |
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共有の権利の権利者は、単独で差止申立てを行うこともできます。 |
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Q9 |
差止申立ての意義について教えてください。 |
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税関では、年間1億件を超える貨物の輸入申告や輸入郵便物の提示があり、それらの適正な通関を行っています。 このような状況の中、知的財産侵害物品の差止めを的確に行うには、権利者からの情報(知的財産侵害物品の情報、識別ポイント等)の提供が必要不可欠といえます。差止申立てを行うことにより情報提供がなされ、税関における知的財産侵害物品の取締りを効果的に行うことが可能となります。 |
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Q10 |
輸入差止申立てと輸入差止情報提供の違いは何ですか? |
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輸入差止申立てと輸入差止情報提供の違いは、下の表のとおりです。知的財産侵害物品の取締りに関する有効性については、大きな差異はないものと考えられますが、輸入差止申立ては、根拠が法令に基づくものであり、点検機会の有無、供託制度の有無、通関解放制度の有無などが異なるところといえます。 |
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輸入差止申立て |
輸入差止情報提供 |
対象権利 |
商標権、 著作権、 著作隣接権、 育成者権 不競法(第1号から第3号、
第17号、第18号)
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特許権、 実用新案権、 意匠権 不競法(第10号) |
回路配置利用権 |
根拠法令等 |
関税法 |
基本通達 |
点検の機会 |
申請により認められる |
規定なし |
申立人による 担保供託 |
輸入者の損害を賠償す るための供託制度あり |
規定なし |
通関解放制度 |
規定なし |
通関解放金の供託により通関解放 |
規定なし |
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Q11 |
輸入差止申立ての受理又は不受理の結果については、どのように連絡されるのですか? |
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輸入差止申立てを受理した場合は、申立人に対し、有効期間を記載した受理通知書により受理したことを連絡します。不受理の場合は、不受理の理由を記載した不受理通知書により連絡します。なお、不受理通知に対し不服がある場合には、その通知のあったことを知った日の翌日から起算して3か月以内に、不服申立てを行うことができます。 |
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Q12 |
差止申立ての内容について、知ることはできますか? |
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税関では、差止申立てを受理したときは、申立人の氏名又は名称、連絡先、知的財産の内容、侵害すると認める物品の品名及び差止申立ての有効期間を税関ホームページに掲載し公表しています。 |
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Q13 |
差止申立てにおいて専門委員に意見を求めるのはどのような場合ですか? |
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税関長は、次のいずれかに該当する場合は、侵害の事実が疎明されているか否かの判断に技術等に関する専門的な意見を要しないことが明らかである又は裁判所若しくは特許庁の判断を待つことが真に必要と認められる等の特段の事情のない限り、専門委員への意見照会を実施するものとされています。 イ 差止申立ての受理前公表において利害関係者から意見書が提出された場合 ロ 侵害の有無について申立人及び利害関係者の間で争いがあり、又は争いが生じる可能性が高いと判断される場合 ハ 侵害の事実が疎明されているか否かの判断が困難である等、専門委員意見照会を行うことが適当と認められる場合 |
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Q14 |
税関長が専門委員に意見照会した場合、差止申立ての受理・不受理が決まるまでにどの位日数がかかりますか? |
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専門委員に意見照会した事案に係る差止申立ての受理・不受理の決定は、当該差止申立ての受理前公表の日から5か月以内に行うよう努めるものとされています。 |
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Q15 |
差止申立人に担保の供託を命じるケースとはどのような場合ですか? |
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差止申立てに係る貨物の認定手続において、申立人と輸入者の主張が対立する等の理由で、知的財産侵害物品に該当するか否かの認定が容易にできなくなる場合、認定手続が長期化することが考えられます。このため、税関長は、認定手続が終了するまでの間、貨物が輸入されないことにより輸入者が被るおそれがある損害の賠償を担保する必要があると認める場合は、申立人に対して、期限を定めて相当と認める額の金銭を供託するよう命じることがあります。 なお、差止申立てに係る貨物が生鮮貨物の場合については、申立人と輸入者の主張の対立の有無に関係なく、原則として供託が命じられます。 |
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Q16 |
供託額は、どのようにして算定されるのですか? |
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差止申立てに係る供託額は、認定手続が執られている間、輸入者が疑義貨物を輸入できないことにより被る逸失利益の額、疑義貨物の倉庫保管料の額、生鮮貨物については、腐敗により失われると予想される当該貨物の課税価格に相当する額、その他輸入者等が疑義貨物を輸入できないことにより被るおそれがある損害の額を、合算した額となります。 |
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Q17 |
差止申立てをするには、手数料等が掛かりますか? |
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税関に対する手数料等は掛かりません。 |
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