関税中央分析所

　　　

　私は大阪税関で採用され、関西国際空港で３年間勤務したのち、千葉県にある関税中央分析所において後継者育成研修生として勤務しています。
　全国の税関には分析部門があり、輸入申告が適正であるか、また輸入しようとされた物品が不正薬物等に該当しないか、など分析技術を活用して確認しています。そして当所では、税関の分析部門では対応出来ない案件を担当する「依頼分析」、世界各国の税関職員に分析技術の指導を行うなど、国際的な分析技術の向上に貢献する「技術指導」、新しい分析法などの研究開発を行う「調査研究」などの業務を行っています。対象となる物品は、食品やプラスチック製品など日常的なものから、覚醒剤などの不正薬物まで、非常に多岐に渡ります。
　そして後継者育成研修とは、税関の分析部門において必要な知識や技術を習得するための研修で、全国の若手職員から毎年数名が当所に集まり、1年間をかけて行われます。

　就職活動を始めた当初は、大学で学んだ知識を活かすために理系の仕事に就きたいと考えていました。また自身のスキルアップのためにも、研修などの体制がしっかりしている職場を探していました。
　そんな中、税関には様々な部門があり、中には化学的な知識を活かすことができる仕事があること、そして幅広い業務に対応するための研修制度がしっかりしていることを知りました。私はこれまでに、新人職員全員が参加する採用研修のほか、空港で働いていた際には語学研修（中国語）に、そして現在後継者育成研修に参加しています。このような機会のおかげで、自分の知識をより深めることができ、業務に対する自信につながっています。
　また様々な部門があるため、理系業務のみならず幅広い分野で働くことができるため、自分自身の視野が広がり、業務についてより多面的に捉えることが出来るというのも良い点だと感じています。

　就職活動中は辛いことや不安ばかりかもしれません。ですが、様々な業界について知ることが出来ますし、何よりいつも以上に自分自身と向き合える貴重な機会です。就職活動を通してたくさんの新たな出会いもあるはずです。今の皆さんがされている努力は、就職活動を終えて振り返った際に、きっと宝物のように感じられると思います。
　中には「理系だし分析業務に興味はあるけれど、出来るかどうか自信が無い…」と悩んでおられる方もいらっしゃると思います。実は私も大学の専攻は化学では無く、分析にも詳しくなかったのですが、手厚い研修制度や職員の皆さんの指導のおかげで、毎日少しずつ成長していると実感しています。ですので、少しでも大阪税関や分析業務に興味を持ってくださっている方は、ぜひ説明会などにお越しください。