少額輸入貨物等に対する水際取締りについて
令和7年11月
財務省関税局・税関
税関は、麻薬・覚醒剤等の不正薬物、爆発物等のテロ関連物資、知的財産侵害物品等の密輸や国民の安全や健康を害するような物品の輸入規制逃れを防止するため、全国の港や空港などの水際で24時間・365日、取締りを行っています。
人や貨物の移動が増える毎年12月には、年末における密輸事犯を防止するととともに、税関の役割について広く国民の方々に知っていただくことや、各種業界団体の方々に不審情報の提供について協力を求めること等を目的として年末特別警戒を実施し、水際取締りの強化や税関業務のPRを行っています。
近年、税関が輸入貨物から発見した不正薬物の押収量や知的財産侵害物品の差止件数は高い水準で推移しており、令和6年の不正薬物の押収量は初めて2年連続で2トンを超え、知的財産侵害物品の差止件数は過去最多を更新しました。
このような不正薬物や知的財産侵害物品のほか、国民の安全や健康を害するような物品の輸入規制逃れを防止することも重要な課題となっています。
また、近年の金価格の高騰等の影響を受けて、消費税の脱税を目的とした金密輸への対策は喫緊の課題となっています。
そのような中で、税関を取り巻く情勢として、越境EC市場規模の拡大を背景とする利用増加を受け、個人向けの通信販売貨物を中心として貨物の輸入件数が増加しています。特に、課税価格が1万円以下の貨物の輸入件数が急増し、輸入件数全体の約9割を占めている状況です。
多数の少額輸入貨物が輸入される中で、それらの中に不正薬物や知的財産侵害物品等が混入・隠匿されることによる国内への流入、すなわち密輸入を阻止する必要があります。
また、税関による少額輸入貨物に対する取締りにおいては、少額輸入貨物の輸入手続の際に品名や価格等を偽ることによる輸入規制逃れや関税・消費税の脱税といった不正行為が疑われる事例が認められており、引き続き厳格に対応していく必要があります。
税関は、取り巻く環境が大きく変化する中において、「安全・安心な社会の実現」、「適正かつ公平な関税等の徴収」、「貿易の円滑化」という社会的要請に応え、国民の安全や健康を害するような物品の国内への流入の阻止や適正な課税を図るために、輸入申告に係る審査の更なる厳格化や検査を実施する対象貨物の増加等による水際取締りの強化を行いつつ、円滑な通関を確保するよう努めます。
安全・安心な社会の実現に向け、物流事業者、通関業者及び個人を含む輸入者におかれましては、税関による水際取締りの必要性を御理解いただくとともに、引き続き、税関行政への御協力をお願いします。




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