石油の分析「ガソリン・灯油・軽油の違いは?」
私たちの生活に深く関わっているガソリン、灯油、軽油などの「石油関連製品」も関税分類では細かく分類されています。分留性状(石油を加熱したとき、何度で、何%が留出したか)と引火点(火が付く温度)により区別されます。
石油の分類について
石油関連製品は、「脂肪族炭化水素」と「芳香族炭化水素」の2つのグループからなる混合物です。関税分類上、(1)芳香族炭化水素(ベンゼン、トルエン、キシレンなど)が全重量の50%未満であれば石油関連製品、(2)芳香族炭化水素の割合が50%以上の場合は、石油関連製品とは異なる関税分類となります。
通常、ガソリンスタンドで売られているガソリンは、芳香族炭化水素が全重量の50%未満の石油関連製品です。
【分留性状を調べるには・・・】
ガソリン、灯油、軽油などの分留性状を調べるには「自動常圧蒸留装置」を使用します。
▲自動常圧蒸留装置
1. 試料を準備します。
2. 蒸留装置で試料を加熱すると、ある温度からどんどんガス化が進みます。
3. このガス化した成分を水で冷やすことにより、また液体の状態に戻ります。この液体に戻った量とその時の温度を測ることによって分留性状がわかります。
【試験データを見てみましょう。】
▲ガソリンの蒸留曲線
【芳香成分を調べるには・・・】
「ガスクロマトグラフ」という分析機器を使用します。 ガスクロマトグラフィーにより各成分を分離し、チャート上にあらわれるピークの大きさによって、その成分の量(各成分の割合)を算出できます。
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