DNA鑑定「まぐろの種を判別する」
「DNA」はデオキシリボ核酸(Deoxyribonucleic Acid)の略称で、ほとんどの生物において遺伝情報の実体となる高分子です。DNAは二重らせんを基本構造とし、通常、アデニン(A)に対してチミン(T)、グアニン(G)に対してシトシン(C)が対をなし(塩基対)、お互いに相補的な二本鎖を形成しています。
DNAを利用した種の判別方法
DNAを利用した種の判別にはいくつかの方法がありますが、ここでは一例として、パターン認識による種の判別方法(既存のデータベースと比べることにより、サンプルの種を特定する)をご紹介します。
【種を判別してみましょう。】
1. まぐろの肉片を採取します。
2. まぐろの組織片からDNAを抽出します。
3. PCR法により、DNAの特定座位を増幅します。
4. 制限酵素により、増幅されたDNAを切断します。
5.電気泳動法により、上記4で切断されたDNAの各断片を分離し、パターンとして認識します。
【パターンを見てみましょう。】
▲まぐろDNAのAluI酵素による断片の電気泳動像
▲まぐろDNAのMseI酵素による断片の電気泳動像
▲まぐろDNAのTspEI酵素による断片の電気泳動像
Lanes 1〜 4: | Yellowfin tuna (Type1〜4) |
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Lanes 5〜12: | Bigeye tuna (Type1〜8) |
Lane 13: | Pacific northern bluefin tuna |
Lane 14: | Atlantic northern bluefin tuna |
Lane 15: | Southern bluefin tuna |
Lane 16: | Albacore |