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相殺関税制度について

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1.相殺関税制度の概要

相殺関税制度とは、輸出国の補助金を受けた輸入貨物に対し、国内産業保護のために補助金額の範囲内で割増関税を課す制度であり、世界の貿易自由化と貿易ルールの強化を目指すWTO(世界貿易機関)の協定でも、一定の規律の下に認められているものです。

わが国では、関税定率法(第7条)(以下「法律」)に規定されており、課税のための要件や手続等は、WTO協定及びこの法律をはじめとする関係国内法令に基づくことになります。

2.相殺関税の課税要件

相殺関税の課税要件として、WTO協定に基づき法律で定められています。

(1)補助金を受けた貨物の輸入の事実があること

(2)補助金を受けた貨物と同種の貨物を生産している国内産業(国内生産高の相当な割合を占める者)に実質的な損害等の事実があること

(3)実質的な損害等が補助金を受けた貨物の輸入によって引き起こされたという因果関係があること

(4)国内産業を保護する必要性があること

3.相殺関税の課税手続(課税の求め・調査)

(1)課税の求め

相殺関税を課税するためには、政府が調査を実施して課税要件が満たされていることを確認します。この調査は原則として課税の求め(申請)を受けて実施されることとなっており、申請を行うには、イ.申請者としての要件(申請適格)、ロ.国内産業によって又は国内産業のために行われていること(支持の状況)、並びにハ.上記2.(1)から(3)についての十分な証拠を、書面にて財務大臣(提出先:財務省関税局関税課)に対し提出する必要があります。

申請適格及び支持の状況とは、基本的に以下のとおりです。

イ.申請適格

調査対象貨物と同種の貨物の国内生産者であり、国内総生産の25%以上の生産高を有する者

ロ.支持の状況

申請を支持している国内生産者(申請者を含む)の生産高の合計が、申請に反対している国内生産者の生産高の合計を超えること

詳しくは、「相殺関税に関する手続等についてのガイドライン」をご覧ください。

(2)調査・課税

上記3.(1)の申請が行われれば、関係大臣(財務大臣、産業所管大臣及び経済産業大臣)の間で協議の上、2か月程度を目途に調査を開始するかどうかを決定し、調査開始の場合は、その後原則1年以内に調査を終了し、相殺関税を課税するかどうかを決定します。

4.相殺関税の還付請求手続

納付された相殺関税の額が現実の補助金の額を超える事実がある場合、輸入者は、当該超える部分の額(要還付額)に相当する相殺関税の還付の請求をすることができます。

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