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地域協力(APEC)

APEC(アジア太平洋経済協力: Asia-Pacific Economic Cooperation)

I .概要

 APECは貿易・投資分野を中心にアジア・太平洋の経済協力を議論するフォーラムです。ホーク豪州首相(当時)の提唱により、1989年11月に第1回閣僚会議(外相・貿易担当相が出席)が豪州(キャンベラ)で開催され、これまで毎年1回開催されています。また、93年からは首脳会議が、94年からは財務大臣会議がそれぞれ毎年開催されている他、各分野別に大臣会議が開催されています。APEC首脳・閣僚会議を始めとする各種関連会合は、毎年参加エコノミー(国・地域)が持ち回りで開催しており、2010年は我が国がホストエコノミーを務めています。

 APEC首脳・閣僚会議の下には、APEC活動全体の調整を行う高級実務者会合(SOM: Senior Officials Meeting)が設けられ、その下に、貿易投資委員会(CTI: Committee on Trade and Investment)等多数のフォーラムが分野別に設けられており、貿易・投資の自由化・円滑化を中心に議論しています。

 関税局・税関は、貿易投資委員会の下に設置されている税関手続小委員会(SCCP: Sub-Committee on Customs Procedures)の活動を中心に参画しています。同小委員会においては、税関手続の調和・簡素化を目的とする16項目の共同行動計画(CAP: Collective Action Plan)を設定し、技術協力等を通じ、各エコノミーが着実にCAPを実施する等、貿易円滑化等に向けた活動が行われています。

 また、2001年に策定された5年間で域内取引費用の5%を削減する「貿易円滑化行動計画」に引き続いて、2007年には、2010年までに域内取引費用の更なる5%削減を求める「第二次貿易円滑化行動計画(TFAPII: Trade Facilitation Action Plan II)」が策定・承認され、税関分野においても貿易円滑化に向けた行動・措置6項目が盛りこまれています。

II .関税局・税関における2010年の活動

 関税局・税関においては、本年3月(第1回:広島)と9月(第2回:東京)に、議長として税関手続小委員会を開催し、また本年9月、東京において、APEC税関ビジネス対話、APEC関税局長・長官会合を開催しました。

第1回税関手続小委員会(3月3日〜5日、於:広島)の結果(概要)
  1. AEO(Authorized Economic Operator)行動計画
     各エコノミーのAEO制度の事例集を含むベストプラクティスを作成し、キャパシティ・ビルディング・ニーズの特定及び実施を行うことが承認されました。
  2. シングルウィンドウ及び国際的なシステム連携
     各エコノミーのシングルウィンドウ実施状況の調査を行い、貿易関連文書の電子的交換に関する経験の共有を実施することが承認されました。
  3. 知的財産保護
     差止物品についての情報交換を含む適切な水際取締りの経験を共有し、税関と権利者の協力を強化し、権利者による模倣品真贋研修を推進することが承認されました。
  4. 貿易再開計画(TRP:Trade Recovery Program)
     貿易再開計画におけるコンタクトポイントリスト、情報交換のフォーマットや報告項目、情報交換促進のための税関の枠組み(税関相互支援協定等)リストを作成することが承認されました。
  5. APEC共同行動計画の見直し
     各エコノミーの共同行動計画実施状況の調査・分析及び将来の指針を作成することが承認されました。
APEC税関ビジネス対話(9月13日、於:東京)の結果(概要)
  1. APECの関税局長・長官を含む税関関係者と国内外の貿易関係者約280名が参加しました。
  2. 峰崎財務副大臣及び相原APECビジネス諮問委員会議長の開会挨拶に引続き、御厨WCO事務総局長が、WCOの最新の活動及び税関当局とビジネス界が協力して取り組むべき課題について基調講演を行いました。
  3. 基調講演に引き続き、「貿易の安全確保と円滑化」「ICT及び先端技術の活用」及び「知的財産権侵害物品の水際取締りの強化」の各分野について、率直な意見交換を行いました。
APEC関税局長・長官会合(9月14日、於:東京)の結果(概要)
  1. APECで初の公式の関税局長・長官会合(議長:柴生田関税局長)を開催し、APECの関税局長・長官等、御厨WCO事務総局長及び国際開発金融機関(世界銀行、アジア開発銀行及び米州開発銀行)の専門家が参加しました。
  2. 「税関近代化に向けた国際開発金融機関との連携」、「APEC税関分野の活動評価と今後の方向性」、「貿易の安全確保と円滑化」及び「適正な貿易の確保と貿易円滑化」の各議題について議論し、APEC税関当局が推進すべき8つの重点項目(以下)に合意し、「議長声明」としてとりまとめました。
     (1)AEO(認定事業者)制度構築支援と相互承認の推進
     (2)シングルウィンドウを2020年までに各メンバーが構築
     (3)知的財産権侵害物品の水際取締り強化のため、税関と権利者及び税関間の協力推進
     (4)国境関連省庁との連携強化、税関当局間の情報交換の促進・強化
     (5)税関手続に係る共同行動計画を2020年までに全メンバーが達成
     (6)WCOとの協力強化
     (7)国際開発金融機関との協力強化
     (8)WTO貿易円滑化交渉への貢献
第2回税関手続小委員会(9月15日〜17日、於:東京)の結果(概要)
  1. シングルウィンドウ及び国際的なシステム連携
     各エコノミーのシングルウィンドウ実施状況に関する調査を実施し、その結果報告書が承認されました。今後は、シングルウィンドウの構築支援及びシステム連携の推進を目的として地域ワークショップ等を開催する予定です。
  2. AEO行動計画
     APEC域内のAEO制度の概要をとりまとめたAEO事例集が承認されました。今後、AEO行動計画に従い、AEOベストプラクティスを作成するとともに各エコノミーによるAEO制度の構築を支援していく予定です。
  3. 貿易再開計画
     貿易再開計画実施のための連絡先リスト、情報交換の標準項目等を作成しました。今後は、更に実効的なものとすべく作業を継続することになりました。
  4. 知的財産権侵害物品の水際取締り
     各エコノミーにおける知的財産権侵害物品に対する水際取締りに係る調査を実施し、その結果報告書が承認されました。今後は、効率的な水際取締りのためのキャパシティ・ビルディング等を実施していく予定です。
  5. 税関手続に係る共同行動計画
     各エコノミーの共同行動計画の達成状況に係る調査を実施し、その報告書が承認されました。行動計画16項目のうち10項目が当初の目的を達成、残る6項目についても全エコノミーが2020年までに達成することを確認しました。また、新たな分野(AEO及びシングルウィンドウ)も共同行動計画として推進することが確認されました。

III .フォトギャラリー

 (第1回税関手続小委員会)
 (APEC税関ビジネス対話)
 (APEC関税局長・長官会合)
 (第2回税関手続小委員会)

IV .APEC事務局ホームページ