不当廉売関税制度について
不当廉売関税制度の概要
不当廉売関税とは、正常価格(輸出国内の販売価格等)より低い輸出価格(ダンピング価格)で販売された貨物の輸入により、輸入国において当該貨物と同種の貨物を生産する産業(以下「国内産業」といいます。)に損害等が生じる場合に、国内産業を保護するため、正常価格とダンピング価格との差額(ダンピング・マージン)の範囲内で課す割増関税です。世界の貿易自由化と貿易ルールの強化を目指すWTO(世界貿易機関)の協定でも、一定の規律の下に認められているものです。
不当廉売関税制度は、関税定率法第8条及び第8条の2に規定されており、課税のための要件や手続等は、この法律のほか、WTOの1994年GATT(関税及び貿易に関する一般協定)第6条及びアンチダンピング協定、不当廉売関税等に関する政令、関税定率法施行規則、不当廉売関税等に関する手続等についてのガイドラインに基づくことになります。
〇 関係法令については、別ウィンドウでe-Gov(電子政府の総合窓口)の法令データシステムに移動します。
不当廉売関税を課するためには、財務省、経済産業省及び対象貨物の所管省が調査を実施して課税要件が満たされていることを確認します。この調査は、原則として、国内産業を代表する者からの課税の求め(申請)を受けて実施されます。課税措置は、ダンピング・マージンの範囲内の税率、貨物、供給者または供給国及び期間が指定されます。また、不当廉売関税の課税後には、課税期間の延長、迂回防止及び還付請求等の手続が設けられています。
課税要件
不当廉売関税の課税要件は、以下を満たすこととされています。
(1)ダンピングされた貨物の輸入の事実があること
(2)ダンピングがされた貨物と同種の貨物を生産している国内産業(国内生産高の相当な割合を占める者)に実質的な損害等の事実があること
(3)実質的な損害等がダンピングがされた貨物の輸入によって引き起こされたという因果関係があること
(4)国内産業を保護する必要性があること
調査手続等
・調査の流れ
国内産業を代表する者から課税の求めがある場合には、関係大臣(財務大臣、経済産業大臣及び産業所管大臣)の間で協議の上、2か月程度を目途に調査を開始するか否かを決定します。
調査を開始する場合は、その後、原則として1年以内(最長18か月以内)に調査を終了し、不当廉売関税を課税するか否かを決定します。課税期間は5年以内です。
(参考:調査の流れ)
・課税期間の延長
不当廉売関税が課されている場合において、課税期間の終了後に当該貨物の輸入及びわが国の産業への損害が継続もしくは再発するおそれがある場合には、国内産業を代表する者は、課税期間の延長を求めることができます。
・迂回防止
不当廉売関税が課されている場合において、貨物の供給国や品目を変えることにより、課税命令の対象範囲から形式的に外れる、いわゆる「迂回」が行われている貨物の輸入に対して、国内産業を代表する者は、課税を求めることができます。
なお、迂回防止のための調査は、当初の調査とは異なり、調査開始から原則として10か月以内(最長16か月)以内に調査を終了し、課税するか否かを決定します。
(参考:迂回の3類型)
(参考:迂回防止調査の流れ)
・還付請求
納付された不当廉売関税の額が、実際のダンピング・マージンを超える事実がある場合は、輸入者は、十分な証拠を添えて、当該超える部分の額(要還付額)に相当する不当廉売関税の還付の請求をすることができます。




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