東京税関の歴史
税関の歴史、それは鎖国の終りで始まった
鎖国政策を続けた江戸時代には、長崎の出島が、日本と外国を結ぶ唯一の港でしたが、幕末の安政元年(1854年)に結ばれた日米和親条約を皮切りに、我が国は諸外国に対し、次々に港を開きました。
安政6年(1859年)、長崎、神奈川及び箱館(函館)の港に「運上所」が設けられ、運上事務及び外交事務を取り行うことになりました。これが税関の前身です。
その後、明治5年(1872年)11月28日、運上所は「税関」と呼称統一され、ここに税関は正式に発足しました。したがって、税関では毎年11月28日を「税関記念日」としています。
東京税関のあゆみ
東京港における税関の歴史は、慶応3年(1867年)10月に幕府により、江戸築地鉄砲洲(現在の中央区明石町)に設けられた東京運上所までさかのぼることができます。一方、現在の東京税関は、昭和28年8月それまでの横浜税関東京税関支署を廃止して、首都東京を管轄区域とする税関として独立したのが始まりです。
その後、埼玉、群馬、山梨、新潟、山形の5県が管轄区域として加わりました。
なお、新潟港は明治元年(1868年)に開港しました。当時の新潟税関庁舎が同所に現存しており、現在は重要文化財に指定され、新潟郷土資料館として一般公開されています。
東京税関主要年表
慶応3年(1867) | 10月 | 幕府、江戸築地鉄砲洲に運上所を開設 |
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明治5年(1872) | 11月 | 全国の運上所が「税関」と呼称統一される |
昭和28年(1953) | 8月 | 東京税関開設(横浜税関から独立)、東京都を管轄区域とする |
9月 | 東京外郵出張所、立川出張所開設 | |
30年(1955) | 8月 | 管轄区域に埼玉、群馬、山梨、新潟、山形の5県が加わり、横浜税関から新潟税関支署及び酒田税関支署が移管される。 |
10月 | 芝浦出張所開設 | |
39年(1964) | 3月 | 本関庁舎が品川埠頭に完成 |
41年(1966) | 4月 | 晴海出張所開設 |
44年(1969) | 4月 | 前橋出張所開設 |
45年(1970) | 3月 | 貿易センタービル出張所開設 |
47年(1972) | 3月 | 大井出張所開設 |
49年(1974) | 4月 | 東京航空貨物出張所開設 |
53年(1978) | 5月 | 成田税関支署開設(羽田税関支署廃止)羽田出張所開設 |
8月 | 輸入航空貨物通関業務の電算処理開始(NACCS稼働) | |
54年(1979) | 6月 | 麻薬探知犬導入 |
60年(1985) | 1月 | 輸出航空貨物通関業務の電算処理開始(NACCS輸出入統合システムとして稼働) |
62年(1987) | 10月 | 東京税関麻薬探知犬訓練センター開所 |
平成2年(1990) | 6月 | 山梨政令派出所開設 |
7月 | 酒田税関支署山形出張所開設(山形派出所廃止) | |
3年(1991) | 10月 | 海上貨物通関業務の電算処理開始(Sea-NACCS稼動) |
5年(1993) | 3月 | 新潟税関支署三条・燕政令派出所開設 |
7月 | 成田空港に場内犬(パッシブ・ドッグ)導入 | |
8年(1996) | 4月 | 埼玉方面事務所開設 |
10年(1998) | 7月 | 成田航空貨物出張所開設 |
12年(2000) | 9月 | 本関庁舎、江東区青海に移転(現庁舎) |
14年(2002) | 4月 | 前橋出張所太田派出所開設 |
15年(2003) | 3月 | 税関手続申請システム(CuPES)稼動 |
3月 | 東京税関コンテナ検査センター開設 | |
16年(2004) | 3月 | 東京税関新潟コンテナ検査センター開設 |
7月 | 成田南部航空貨物出張所開設 | |
17年(2005) | 1月 | 事前旅客情報システム(APIS)導入 |
10月 | 東京外郵出張所、江東区新砂に移転 | |
18年(2006) | 3月 | 東京税関城南島コンテナ検査センター開設 |
21年(2009) | 7月 | 佐渡監視署開設 |
22年(2010) | 6月 | 晴海出張所廃止 |
7月 | 羽田出張所廃止、羽田税関支署開設 |