理系職員による座談会


・Kさん
今:密輸出入にかかわる情報の発信・共有などを行っています。
過去:検査部門など。仙台の検査部門にも行きましたが、とても楽しかったです!
・Sさん
今:通関総括部門。(私は主に業者さんからの相談対応などを行っています。)
過去:通関部門(化学品や化粧品等)、分析部門をやりました。
分析では、GC-MSや、IRという機器を使っています!
・Kさん
ずっと同じ業務をしたり、研究を行ったりするより、理系の仕事以外も含むいろんな業務が経験できるのがいいなと思ったからです。
・Sさん
元々何かやりたいことが決まっていたわけではないので、いろんな業務経験をしてその中で自分に合う場所を見つけられればいいと思いました。
・Kさん
専門科目については、自分が大学で勉強している内容を、しっかり勉強した方がいいかも。大学院入試のようなイメージ。数的処理などは理系学生の点の取りどころ!
・Sさん
大学の公務員講座を受けていました。自分の大学にあるならおすすめ!
・Kさん
事後調査部門。今は密輸などに関する仕事ですが、税に関する仕事をしてみたいです。
・Sさん
業務系(注:業務部のこと。通関や原産地、分類、分析などの部門が含まれます。)今の仕事とかかわりがあるので、収納とかも気になります。
D入ってから一つの仕事に集中したかったというような後悔はありますか?
・Kさん
ありません。民間企業のインターンにも行きましたが、自分はずっと同じことをやっていくのは向いてなさそうなので…。
・Sさん
税関に入ってから異動がまだ少なく、Kさんほど多くの業務を経験できているわけではありませんが、それでも知らないことがまだまだあり、学びが多くあるので後悔していません。

@今やっている業務と経験したことのある業務は?
(Kさん(以下K))私は平成30年に、物理区分で採用されました。現在は調査部情報管理室というところで勤務しています。私の担当は、密輸出入等に関する不審な情報の連絡業務のようなことを行っておりまして、横浜税関内で情報を発信・共有するというような仕事をしています。
(Sさん(以下S))私は平成31年に化学区分で採用されました。今は、本牧埠頭出張所の通関総括第1部門というところで勤務しています。大学時代は研究室で分析化学を専攻していました。現在の業務は、主に業者さんからの質問や相談の対応をしていまして、輸出入通関に関わる難しい事案があった際には、先輩に相談しつつ、根拠法令を確認しながら回答するということをしています。
(人)ありがとうございました。今まで経験した業務について教えてください。
(K)検査部門にいたときは、第1種放射線取扱主任者という資格をとりました。検査部門で取り扱っている大型X線検査装置は、事業所に一人は資格を持っている人がいないといけないので…。この資格を取るのは、理系の知識がある程度ないと大変だと思います。
(S)通関にいたときは、化学品や化粧品、ブラスチック製品などの品目を担当している部門だったので、品目分類の検討では学生時代の化学の知識が活きたと思います。分析部門にもいたのですが、GC-MS(ガスクロマトグラフ質量分析計)やIR(赤外分光光度計)を使っていました。学生時代に使ったことがあるわけではなかったので、配属されてから使い方や仕様を業務の中で覚えていくという形にはなるのですが、IRの原理などは学生時代に一度習っていたこともあり、そういった知識があるおかげで業務に慣れ親しみやすかったと思います。
Kさん、面白かった業務ってなんですか?
(K)理系は関係なくなってしまうかもしれませんが、仙台の検査部門に行ったのは印象に残りました。個人的にはすごく楽しかった。
参考リンク:関税中央分析所、関税中央分析所における主要分析機器
Aなぜ横浜税関に就職しましたか?
(K)就職活動するまで税関のこと知らなかったです。
(S)私もです(笑)
(K)合同説明会で税関のことを知って、流れで横浜税関の個別説明会に行って、そのままするするっと…

(S)全く同じです!私も一次試験(注:国家一般職試験の一次試験)のあと、官庁合同説明会に行きました。公務員の試験は受けているけれど、具体的にどこに行くというのは全然決まっていなくて、採用予定機関一覧を見てからどこ受けられるのかなって考えるところからはじまったので…。横浜税関の説明ブースに行ってみたら、分析業務があって、技術系の区分もとっているという話を聞きました。そこから横浜税関の座談会とかに行ったりして、官庁訪問にもその流れで行きました。
(K)化学区分はいっぱい選択肢ありますけど、物理区分ってあまりないんですよね。まず地方公務員ではほとんど物理はないです。最初は物理を多くとる○○庁のつもりだったんですけど、合同説明会で○○庁だけ見て帰るのはなあと思って、物理も採用してくれる警察や税関を見に行きました。個人的にいいなと思っているところなのですが、横浜税関は理系の人もどこでも異動して、理系だからと言ってこういう業務ばかりですよじゃなくて、何でもできる可能性があるというのがいいなと思って横浜税関にしました。それが大きな理由になるかもしれません。
(S)私もそうですね。元々「これをやりたい!」みたいなのはなかったので、そういう意味では税関は決まった業務だけをやるのではなくて、いろんな業務、場所にいくというのがあって、その中で自分に合う場所を見つけられればいいのかなと思って税関にしたという流れですね。あとは人事の方の雰囲気が良かったので(笑)
B当時の試験勉強について教えてください。
(K)今は教養区分があるらしいですね。知ってました?
(S)知らなかったです。調べてみたら面白い問題あるなと思って…。一番から順番に解かないといけない、15分で出題120問っていうやつです。今はそんな試験があるんだと思って、どんな問題か気になったんですけど、今年始まったばかりでまだ過去問とかないんですよね。
(K)例題が3問くらい載っていましたね。慣れてないと大変そう。
(S)今年受けた人は平均点が120点満点中56点で半分くらいらしいので、どんな問題だったのか個人的に結構気になりますね。私は技術区分で受けたとはいえ、専門科目にあまり自信なかったです。数的は自信あったんですけどね。
(K)私も数的処理は結構得意でした。理系の人たちはそのあたりですよね。専門科目も当時どのくらい点取れたかわからないですね。
(S)今年の化学の試験問題を見たんですけど、びっくりしました。今全然わからないけど当時これ解いてたんだって(笑)
(K)多分専門科目は大学院入試くらいのイメージがいいかもしれませんね。なので、今自分が大学で勉強していることを、しっかり勉強した方がいい。大学院受けるくらいの感じで勉強したほうがいいです。小難しい問題が出ているというよりは、ちゃんとその大学で勉強したこと身についていますかというような内容中心に見えるので…。
(S)大学で使っている教科書を確認するといいかも。
(K)どこの大学でも絶対やっているような科目をやった方がいいですね。
(S)私の大学に公務員講座みたいなものがあって、大学と予備校が連携している講座だったと思うんですけど、問題集ももらえて、模擬面接もできたりして、受けてよかったなと思いましたね。全部の大学でそういう講座があるわけではないと思いますけど、あるのなら利用した方がいいんじゃないかなと個人的には思います。
(K)私の大学にはなかったな…。
Cこれからやってみたい業務は?
(K)これからやってみたい業務としては、事後調査部門とかに行ってみたいですね。今は密輸とかに関してやっていますけど、脱税関連の業務も面白そう。全く理系と関係ないですけど(笑)専門としたい分野はまだ模索中という感じです。
(S)Kさんは経験した業務の幅が広いと思うんですが、私は結構狭いところでしか生きてないです(笑)分析と通関の業務系しかやっていないんですよ。しかも2回しか異動してない。
(K)どこが長かったんですか?
(S)分析ですね。研修とか受けさせてもらった関係で、2年半くらいいました。異動の希望出すときは、具体的に行きたいところがあるわけでもないので、大体業務系で書いていますけど、今の職場(注:通関総括)と少なからず関係がある収納業務とかもちょっと気になったりしています。
D入ってから一つの仕事に集中したかったというような後悔はありますか?
(K)私はないですね。もちろん就職する時の選択肢として、まず公務員か民間企業かというのがあって、私は民間企業のインターンとかもいったんですよね。インターンなのですべてがわかるわけではないですけど、どうやら何かに対しての研究をずっとやるといったことを私は30年も40年もできないかもしれないと思った。そういうタイプなので、横浜税関に来てよかったですね。
(S)理系って大学院まで行って企業に就職することが多いと思うんですけど、化学系の自分が大学院に行ったとして、その後どこに就職したいのかなと考えたときに、ぱっと思い浮かぶのはメーカー系なんですね。そういったところで就職して製品開発とかするのを考えたときに、大学院に行ってまでしてそういうことをしたいという気持ちがあまりなかったので、大学院には行かずに公務員試験を受けようと思いました。
もともと何やりたい、これやりたいっていうのはなかったから税関に入ったというのが少なからずあるので、Kさんよりは全然狭い世界で生きているんですけど、それでも通関経験して通関総括を1年半経験した今でも全然知らないことってたくさんあるんですよね。いまだに学びがあるので、今の職場で普段の業務をこなしつつ、適宜いろんな知識を習得できればいいかなと思っています。特に後悔などはないですね。Kさんは民間企業の方と、公務員は並行して就活していたんですか?
(K)元々公務員の方が良いかなと思っていたので、夏にインターンには行きはしたんですけど、結局公務員の方にシフトしていきました。Sさんは大学の授業はどうしていましたか?
(S)研究室に所属していたので、研究はありましたけど、授業はなかったですね。卒論さえできればというところでした。
(K)理系の人の方が行政で受ける人より勉強する時間は少ないかもしれませんね。
(S)私も研究室がそこまで厳しくなくて、公務員試験の勉強との両立に苦労したような記憶はあまりないですね。
(K)自分が勉強している分野の区分で受けるのであれば、過去問を見てこういう問題が出るんだなっていう雰囲気をつかんでそれなりの勉強をしていれば、そんなに苦労することはないんじゃないですかね。数的処理とか判断推理は、理系の点数の取りどころだと思うので、そのあたりを重点的に勉強していた覚えがあります。
< 最後に >
(S)今日、いろいろKさんの話を聞いていて、自分が思っていたことと大きく違った話とかはなかったので、やっぱり同じような考えで(横浜税関に)来ている人が多いのかなと思いました。税関の分析業務の話は、化学系の人には結構興味がわくのではないでしょうか。
(K)理系の方にも税関の多種多様な業務に関心を持っていただけたら嬉しいですね。
(人)ありがとうございました。実際に理系の職員がどんな仕事をしているのか、就活の時はどのようなことをしていたのか・考えていたのかということをお話ししていただきました。
公務員を志望している理系の学生の皆さんにとって、とても参考になる体験談だと思います。本日は本当にありがとうございました。
(K&S)ありがとうございました。

【参考リンク】
税関チャンネル
(税関YouTubeチャンネル)
【CUSTOMS PRIDE(通関編)】第15話 税関職員がドッグフードを分析するって本当?(横浜税関)
(分析部門についての動画)

