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依頼分析 〜税関からの依頼分析〜

現在、日本には9ヵ所の税関、また税関支署や税関出張所などが約200ヵ所設置されています。各税関の分析部門では、必要に応じて輸入された物品の分析を行いますが、分析が困難なもの、不可能なものがある場合には、私たちに分析を依頼します。私たちは、税関からの依頼を受けると、まず物品に最適な分析法を検討し、高度な専門知識や最先端の分析機器を使って、精密な分析試験を行います。試験を行った分析官が分析結果を報告書としてまとめます。各税関ではこの報告書を基に品目の分類を決定しています。

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説明図:税関からの依頼分析の流れ
▲依頼分析の流れ

説明図:日本国内の9つの税関
▲日本国内の税関


-たとえば、こんな分析をしています。-

  • 食品・農水産物の分析

    乳製品・水産品・米粉製品・肉類は、加工の度合いや種類によって税率が違います。 また、中には輸入制限品目もあるため、高精度・高感度な分析を行う必要があります。
    (注:組成によって輸入制限品目となるものもあります)

    糖質・有機酸・ビタミンなどの分析

    濃縮ジュースは糖分量、ミルク・穀粉調製品はタンパク質・脂肪・糖質などの組成によって税率が異なります。これらの分析には「高速液体クロマトグラフ」などを使って成分の同定や組成分析を行います。

    肉類・種の分析

    肉類のタンパク質は「電気泳動装置」で鑑別します。この段階で、ワシントン条約で輸入禁止の鯨肉と、牛肉その他の食肉を識別できます。さらに、同じ動物の肉でも「DNA分析装置」を使ってDNAの塩基配列を調べることで、動物種まで特定できます。

  • 無機化合物の分析

    天然の鉱物や金属を加工した生産品は、元素の定性・定量分析・結晶構造解析を行います。 貴金属などを分析するときは、傷がつかないように細心の注意を払って、非破壊分析を行います。

    結晶構造などの分析

    鉱物・金属などを分析するときは、X線回折法によって結晶構造を分析します。

    組成元素の分析

    合金や塩類などの鉱物性加工品は、含まれる元素の量によって税率が変わります。 蛍光X線分析・ICP発光分光分析により、元素の種類や量を正確に分析します。

    組成元素・結晶構造が同一の加工製品の分析

    木炭と活性炭、酸化アルミニウムと人造コランダムなど、組成元素や結晶構造が同じでも加工の程度によって税率が変わるものについては、「電子顕微鏡」を使って加工の度合いをくわしく分析します。

    写真:酸化アルミニウム(3,300倍)
    ▲酸化アルミニウム(3,300倍)

    写真:人造コランダム(3,300倍)
    ▲人造コランダム(3,300倍)

  • 有機化合物・その他の分析

    プラスチック・石油製品・香料・化学薬品・界面活性剤・繊維・紙などは、加工の度合いや化学成分の種類などによって税率が異なります。このため、化学組成の定性・定量分析や分子の構造解析を行う必要があります。また、合成樹脂・薬物などは、種類が多く、化学組成が複雑なため、高性能の分析装置を駆使してくわしく分析を行います。

    プラスチック・化学薬品の分析

    プラスチックなどの高分子化合物は分子構造解析の前に「GPC」を使って、分子の大きさごとに成分をふるい分けます。その後、「赤外分光光度計」で分子構造や化学組成を正確にすばやく分析します。

    正確な分子構造解析

    特に分子構造解析の必要なものについては、「核磁気共鳴装置」で水素・炭素・窒素などの位置関係を調べて、正確な分子構造・化学組成を分析します。

    揮発性物質の分析

    ガス化できる物質については、まず「ガスクロマトグラフ」によって分離します。その後、「質量分析計」で分子の質量から物質を特定します。錠剤に含まれる薬効成分の特定などに使われます。



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