伏木税関支署　取締部門

 　

　私は富山県に所在の伏木税関支署取締部門に所属しており、主な業務として海港における不正薬物やテロ関連物品の取締りを行っています。具体的には、船舶に立ち入って検査を行う船内検査、船舶を出入りする乗組員や関係業者に対する職務質問や所持品等の検査、外国貿易船に出入りしようとする不審車両や不審人物を警戒するパトロール、監視艇を使用して外国貿易船に接触しようとする不審船舶や密輸出入された虞のある不審な浮遊物の発見に努める海上巡回、船舶の入港関係書類の受付などを行っています。

　また、大阪府内の官署と比べて職員が少人数なので、上記の海港取締りだけでなく様々な業務を行っています。具体的には、海外からの航空機旅客の手荷物検査、輸出入される車両やコンテナ等の貨物の検査、摘発された密輸入事件の調査、地域イベントへの参加や学校での講演等の広報活動などがあります。

　私は教育系大学の出身ですが、教師になるか迷っていました。漠然と公務員を就職先として考え始め、各省庁や地方公共団体について調べる中で、不正薬物や銃器の密輸取締りを行っている税関に興味を持ちました。また、官庁訪問での職員の対応や雰囲気がよかったことも志望した大きな理由の一つです。

　現在の仕事では、日本海側に所在しているという特徴からロシアからの船舶が多く、ロシア語でコミュニケーションをとることがあるためロシア語の研修が充実しており、研修の内容を業務に活かして日々新鮮さを感じながら仕事ができています。

　また、税関の業務は多岐にわたっていますが、前述のように現在の職場では担当部門が細分化されていないため、様々な仕事に携わることができます。このように一つの部門で様々な業務を経験できることは地方官署ならではの魅力だと感じていますし、今後の自分の専門分野を考えるよい機会になると思っています。

 　私は、入関してから何件か不正薬物等を摘発していますが、摘発するたびに責任とやりがいを感じ、身が引き締まる思いがします。一方で、休暇を活用して、プライベートの充実も図れています。転勤先の富山県でも、職場の仲間と海鮮料理や観光、ウィンタースポーツ等を楽しんでいて、仕事も私生活も充実しています。仕事を決めるということは難しいことだと思いますが、自分を見つめ直すよい機会です。在学している学部等に関係なく広い視野で、自分のやりたいことや仕事と私生活とのバランスなど今後のライフプランを考えることをおすすめします。そして、できる限り多くの仕事についてホームページやパンフレットから情報収集し、興味のある仕事の業務説明会には積極的に参加して職員の雰囲気を感じることが大切だと思います。その中で、税関で働きたいと思ってもらえると幸いです。