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大蔵省告示第二百十七号
 中華人民共和国、ノールウェー王国及び南アフリカ共和国各国産フェロシリコマンガンに係る関税定率法(明治四十三年法律第五十四号)第九条第五項に規定する調査を行うこととしたので、不当廉売関税に関する政令(昭和五十五年政令第百三十七号)第五条の規定に基づき、次のとおり告示する。
平成三年十一月二十九日
大蔵大臣 羽田  孜 
一 調査対象貨物の品名、製造者、型式及び特徴
(一) 品名 フェロシリコマンガン
(二) 製造者 別表のとおり
(三) 型式 フェロシリコマンガンのうち、特殊用途向けフェロシリコマンガン(炭素含有率〇・一五%以下、燐含有率〇・一〇%以下及び硫黄含有率〇・〇二%以下のもの)を除いたものであり、商品の名称及び分類についての統一システム(HS)第七二〇二・三〇号に分類される。
(四) 特徴 合金鉄(フェロアロイ)の一種であり、主として製鋼工程において脱酸剤、脱硫剤及び鋼の靱性、加工性を高める合金成分添加剤として用いられている。
二 調査対象貨物の輸出国 中華人民共和国、ノールウェー王国及び南アフリカ共和国
三 調査を開始する年月日 平成三年十一月二十九日
四 調査事項の概要
(一) 不当廉売関税を課することを求めた者(申請者)が本邦の産業に有する利害関係に関する事項
(二) 不当廉売された調査対象貨物の輸入の事実に関する事項
イ 調査対象貨物の正常価格(輸出国における通常の商取引における価格又はこれに準ずる価格)
ロ 調査対象貨物の本邦向け輸出価格
ハ 調査対象貨物の正常価格と本邦向け輸出価格との差額(ダンピング・マージン)
ニ その他不当廉売された調査対象貨物の輸入の事実の有無の認定に関し参考となるべき事項
(三) 不当廉売された調査対象貨物の輸入が本邦の産業に与える実質的な損害等の事実に関する事項
イ 不当廉売された調査対象貨物の輸入量
ロ 不当廉売された調査対象貨物の輸入が本邦の同種の貨物の価格に及ぼす影響
ハ 不当廉売された調査対象貨物の輸入が同種の貨物を生産している本邦の産業に及ぼす影響
ニ その他不当廉売された調査対象貨物の輸入が本邦の産業に与える実質的な損害等の事実の有無の認定に関し参考となるべき事項
五 申請者の主張の概要
(一) 申請者 東京都千代田区霞が関三丁目二番六号 日本フェロアロイ協会(会長 小林和三)
(二) 申請者が本邦の産業に利害関係を有する事情
 日本フェロアロイ協会の会員のうち、特に深刻な損害を受けている本邦生産者の平成二年の国内生産シェアは、五三・三%である。
(三) 不当廉売された調査対象貨物の輸入の事実
イ 中華人民共和国の正常価格については、主位的主張(中華人民共和国を国家統制経済国であるとした場合)においてインドにおける製造原価に通常の利潤及び一般経費の額を加えた構成価格を、予備的主張(中華人民共和国を国家統制経済国でないとした場合)において中華人民共和国における構成価格を採用する。
 また、ノールウェー王国及び南アフリカ共和国の正常価格については、各々における国内販売価格を採用する。
ロ 本邦向け輸出価格については、三国の各々からの輸入価格から各々の海上運賃等を控除して算定する。
ハ イ及びロにより三国の各々からの輸入品に係る平成二年のダンピング・マージン率を算出すると、五四・八%乃至七六・一%となる。
(四) 不当廉売された調査対象貨物の輸入が本邦の産業に与える実質的な損害等の事実
イ 国内需要量が堅調に推移する中で、平成元年から平成二年にかけて、三国からの輸入量及びその国内需要量に占めるシェアは増加し(平成元年三〇・八%→平成二年四二・〇%)、この影響により、本邦生産者の生産量及びその国内需要量に占めるシェアは減少している(平成元年四九・〇%→平成二年三四・四%)。
ロ また、主原料のマンガン鉱石価格が高騰する中で、平成元年から平成二年にかけて、中華人民共和国及び南アフリカ共和国からの輸入品価格は引き下げられ、ノールウェー王国からの輸入品も平成二年からこれと同様の低価格で本邦市場に参入しており、これらの価格はいずれも国産品価格を下回っている。
ハ この結果、本邦の産業においては、平成元年から平成二年にかけて、販売価格の低迷、販売量及び生産量の減少、販売シェア及び稼動率の低下、収益の悪化等が生じている。
六 証拠の提出等の期限及び宛先等
(一) 証拠の提出及び証言又は対質の申出の期限
 利害関係者の求めによる証拠の提出及び証言又は対質の申出の期限は、平成四年一月二十九日とする。
(二) 証拠の提出及び証言又は対質の申出の宛先
東京都千代田区霞が関三丁目一番一号 大蔵省関税局企画課長
(三) その他
 日本語以外の言語による証拠の提出及び証言又は対質の申出を行う場合には、日本語による翻訳文を添付するものとする。
別表 調査対象貨物の製造者
国   名
製 造 者 名
中華人民共和国
湖南鉄合金廠
新余鋼鉄廠
遼陽鉄合金廠
錦州鉄合金廠
遵義鉄合金廠
峨嵋鉄合金廠
上海鉄合金廠
吉林鉄合金廠
山西陽泉鋼鉄廠
雅安電力機械公司
江油県鉄合金廠
棗庄鉄合金廠
信陽鉄合金廠
湖北省鉄合金廠
首鋼鉄合金廠
重慶鉄合金廠
広西八一マンガン鉱合金廠
楼底地区鉄合金廠
ノールウェー王国
Elkem A/S
Tinfos Jermverk A/S
南アフリカ共和国
Samancor Limited
Transalloys
Proprietary Limited
(注) 申請者が提出した申請書に記載されているもの等を記載した。

(平成3年11月29日官報第789号掲載)

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