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4022 日ASEAN包括的経済連携協定の概要(カスタムスアンサー)


 日ASEAN包括的経済連携協定は、2005年4月に交渉を開始し、2008年3月から4月にかけて署名されました。その後、2008年12月に我が国を含む5か国の間で発効し、2010年7月に全加盟国において発効しました。サービスの貿易及び投資の自由化・円滑化等については交渉を継続することになっていましたが、2020年8月1日に、本協定にこれらに関する規定を追加する第一改正議定書が我が国を含む6か国の間で発効し、2022年2月1日に全加盟国において発効しました。
 なお、日ASEAN包括的経済連携協定は、我が国にとって初となる複数国間の経済連携協定(EPA)です。

1.本協定の概要

 本協定は、我が国とASEANとの間の経済連携を強化するため、我が国とASEAN各国との間の物品・サービス貿易及び投資を自由化・円滑化し、経済の各分野での協力を促進するものです。

2.我が国にとっての意義

 ASEAN各国との二国間EPAのみならず、ASEAN地域全体とのEPAを締結することを通じて、ASEANとの経済関係が一段と活性化されることが期待されます。
 本協定により、原産地規則の累積規定(例えば、タイで日本企業が生産を行う際に、日本からの部品がタイの原産材料とみなされるというルール)が日本及びASEAN域内で適用されます。この規定により、日本企業は幅広い材料調達において原産資格を得やすくなり、その結果日本及びASEAN域内における物品のより円滑な流通が可能となることで、日・ASEAN域内全体の生産ネットワークの強化に資することが期待されます。

3.協定の主要な内容

(1)総則:協定の目的、用語の定義、行政手続の透明性等。
(2)物品の貿易:関税の撤廃又は引下げ(日本及び各ASEAN構成国の関税撤廃又は引下げ(関税譲許)を、それぞれ他の締約国に等しく適用する共通譲許方式を採用。)、セーフガード、税関手続等。
(3)原産地規則:原産品の認定(締約国に等しく適用される共通原産地規則方式を採用。また、日本・ASEAN域内での原産地規則の累積(他の締約国で生産された部品や半製品等を自国内で生産したとみなすことができること)を規定。)、原産地証明書の発給等。
(4)衛生植物検疫措置:衛生植物検疫措置の適用に関する協定の当事国である締約国間の同協定に基づく衛生植物検疫措置に関する権利及び義務を再確認、情報交換、協力の円滑化等を行なう小委員会の設置。
(5)任意規格、強制規格及び適合性評価手続:任意規格、強制規格及び適合性評価手続が貿易に不必要な障害をもたらすことのないようにすることを確保。
(6)サービスの貿易:内国民待遇、市場アクセス及び透明性等。
(7)投資:公正な待遇・十分な保護、正当な補償を伴わない収用の禁止、紛争解決手続等。
(8)経済的協力:貿易に関連する手続、ビジネス環境、知的財産、エネルギー、情報通信技術、人材養成、中小企業、観光及び接客、運輸及び物流管理、農業、漁業及び林業、環境、競争政策及び全締約国が相互に合意するその他の分野の13分野での協力の検討及び実施。
(9)紛争解決:協定の解釈・適用から生じる紛争を解決するための手続等。
(10)最終規定:協定の一般的な見直し、効力発生、改正手続等。

 


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