適正かつ迅速な通関を確保するためには、輸入者・通関業者の皆様による適正な申告が極めて重要であり、税関ではこれまでも説明会等種々の機会を通じて、各種情報の提供に努めてきたところです。
今般、税関において輸入申告における誤った事例を分析したところ、下表のとおり適用税番の誤りや減免税の適用誤り等に起因したものが見られました。
こうした誤りは、輸入申告に必要とされる正確な貨物情報の事前把握又は現物の確認、法令の正しい解釈等により防ぐことができますので、こうした点に特に注意して適正な輸入申告に心掛けてください。
輸入申告の誤った事例 |
正しい申告のポイント |
1. |
適用税番の誤りが見られる事例 |
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(1) |
衣類等 |
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イ |
編物製・織物製の判別 〔婦人用ジャケット、婦人用コート等〕 |
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ロ |
模様編製・その他の編物製の判別、ししゅうした製品の認定 〔ブラウス等〕 |
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ハ |
毛皮製衣類附属品の認定 〔ショール等〕 |
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イ |
編物:隣接したループを交互に組み合わせて編目を作る。 織物:縦糸及び横糸を交錯させて作る。 |
ロ |
模様編みの組織を有するものの解釈:国内分類例規 ししゅうした製品の解釈:国内分類例規 |
ハ |
材質の確認、完成品・未完成品の判別、用途等の確認 |
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気密容器入りのものの解釈:国内分類例規 |
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(3) |
バッグ等 |
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イ |
貴金属の使用の有無 〔ハンドバッグ、ライター、身辺細貨類等〕 |
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ロ |
金めっきの有無〔ハンドバッグ等〕 |
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イ |
貴金属の使用等の確認 |
ロ |
貴金属をめっきした金属を使用したハンドバッグの取扱い:国内分類例規 |
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(4) |
靴 |
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イ |
甲、本底の材質の判別 |
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ロ |
スポーツ用の履物及び体操用等に供する履物の判別 |
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イ |
類注4に基づく甲、本底の材質の決定 国内分類例規 第64類 |
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1. |
甲が革製の履物の解釈について |
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2. |
靴の甲の構成材料を決定するための面積計算について |
ロ |
スポーツ用の履物、体操用等に供する履物の確認 国内分類例規 第64.03項〜第64.05項 |
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1. |
スポーツ用の履物、体操用、競技用その他これらに類する用途に供する履物及びスリッパの範囲等 |
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2. |
スポーツ用の履物、体操用、競技用その他これらに類する用途に供する履物等の解釈について |
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(5) |
木材 |
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無垢材か、積層、集成材、横継ぎ材か。 |
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イ |
板を横継ぎしたもの 第44.21項〔国際分類例規〕 |
ロ |
積層、集成材〔厚さの方向へ重ねたものか、ひき板、小角材等を接着したものか等〕 |
ハ |
加工の状態、用途の確認 |
ニ |
樹種の確認〔熱帯産木材、関税率表解説〕 |
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2. |
減免税の適用誤りが見られる事例 |
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関税暫定措置法第8条の減税適用除外の確認 |
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減免税を受けるためには |
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イ |
輸入申告の際に、減免税を受けるために必要な書類がそろっていること |
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ロ |
輸入貨物にかかる課税価格と輸出原材料課税価格を正しく算出すること |
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ハ |
輸入される製品は、特定の製品であること〔特に、適用税番〕に注意すること |
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3. |
一般特恵関税の適用誤りが見られる事例 |
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特恵原産地証明書又は積替え証明書等の添付の確認 |
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イ |
非原産国において運送上の理由による積替え又は一時蔵置が行われた場合には、それらの証明書又は通し船荷証券の写し等の提出を要する。 |
ロ |
特恵原産地証明書の提出省略が認められる品目であっても、自国関与品に係るもの、累積原産品に係るもの及び非原産国を経由して本邦へ向けて運送されたもの(イの書類を提出した場合を除く)については特恵原産地証明書の提出を要する。 |
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