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電子メール等の保存について《Q&A》

 平成24年度関税改正において、関税法第94条等の改正により電子メールなどの保存義務が導入され、平成24年7月1日に施行されています。従来から、所得税や法人税に係る納税義務者を対象として設けられていた制度について関税法上の輸出入者も対象としたものです。所得税等の納税義務者として既に「電子計算機を使用して作成する国税関係帳簿書類の保存方法等の特例に関する法律」(平成10年法律第25号。以下「電子帳簿保存法」といいます)に従って電子メール等の保存を行っておられる方については、基本的には追加的に保存義務がかかることはないと考えられますが、この機会に改めて書面(紙)も含めた帳簿書類の保存制度をご理解いただければ幸いです。書類等の保存は適正課税に不可欠なしくみですので、適切な管理及び税関の調査へのご協力をお願いいたします。
 今回、改正分の周知に係るリーフレットを作成し配布いたしますとともに、これに係るQ&Aを下記のとおり作成いたしましたので、ご参照ください。

※印刷して使用したい方はPDF版[203kb]PDFファイルが便利です。


1.制度の概要等

問1 今回の改正措置の内容はどういうものですか。

 平成24年3月の関税改正(関税定率法等の一部を改正する法律(平成24年法律第19号))で、関税法第94条第3項が改正されました。同項では電子帳簿保存法の各規定を準用していますが、今回の改正で同法第10条の準用が追加されました。改正規定は、平成24年7月から施行されています。
 従来、保存しなければいけない帳簿書類について、同法の準用により、所定の要件を満たして税関長の承認を受けることで、一定のものに限り電子的な保存が可能とされていましたが、今回の改正は、業として輸出や輸入をする者が電子取引を行った場合には、その電子取引に係る取引情報の電磁的記録を保存することとされたものです。
 ただし、今回の改正は、所得税や法人税の納税義務者を対象として従来から定められていた仕組みを、関税法上、輸出入者も対象としたものです。したがって、これまで所得税等の納税義務者として電子帳簿保存法に基づく電子メール等の保存をされていた方にとっては、保存すべき対象が増加するようなことはないものと考えられます。

《参考:関税法第94条第3項において準用する電子帳簿保存法第10条》
 (電子取引の取引情報に係る電磁的記録の保存)
第十条 一般輸入貨物を業として輸入する者又は一般輸出貨物を業として輸出する者は、電子取引を行った場合には、財務省令で定めるところにより、当該電子取引の取引情報に係る電磁的記録を保存しなければならない。ただし、財務省令で定めるところにより、当該電磁的記録を出力することにより作成した書面又は電子計算機出力マイクロフィルムを保存する場合は、この限りでない。
(注) 下線部は、関税法で準用する際に読み替えられる部分

問2 なぜ、改正を行ったのですか。

 貨物を業として輸出入される方については、従来から一定の書類について保存義務があります。税関では、事後調査において書類等を確認させていただいておりますが、公平で適正な課税の確保などのためには書類を適切に保存していただくことは非常に重要です。
 昨今、電子メールによる取引が普及しておりますので、課税の公平などのため、事後調査等では電子メールを確認させていただくことも多くなっています。更に、区分1の一部の場合における提出書類省略など通関手続簡素化を円滑に実現するためには、資料の適切な保存がなければ公平な課税が確保できません。そのため、電子メールなどの保存が関税法上明記されたものです。

問3 今回の改正でどのような影響があるのでしょうか。

 所得税や法人税の納税義務者には既に電子取引に係る同様の保存義務があり、その対象範囲となる電子取引の範囲内には、売上げ又は仕入れ等である輸出入取引の場合も含まれます。そのため、従来、所得税等の納税義務者としてこれらの保存を行っている輸出入者にとっては新たに保存しなければならないものはないと考えられます。
 また、従来、電子メールの添付ファイルとして授受した資料が保存対象書類の場合には紙で保存しなくてはならず、一定の範囲内で、税関長の承認を受けた場合に限り電磁的記録による保存ができるに過ぎませんでしたが、改正後は、電子メールなど電子取引に係る取引情報は、電磁的記録のまま保存することもできます。印刷して紙で保存することもできますので、事実上、輸出入者にとって資料保存方法が柔軟になる意味もあります。

問4 今回の改正内容に係る法令を自分で確認したいのですが、どうやれば簡単に調べられますか。

 インターネットを利用して次の方法で確認することができます。

イ 「関税定率法等の一部を改正する法律」の確認

  1. 「税関」のホームページ(http://www.customs.go.jp/)を開いてください。スクロールすると「ピックアップ」と題されたブロックがあります。この中にある「所管法令等」をクリックしてください。
  2. 表示された画面に「法律等改正」というブロックがあります。この中の「法律」をクリックしてください。
  3. 「関税定率法等の一部を改正する法律(平成24年法律第19号)」が、今回の改正法です。このブロックの中に関係資料があります。
    1) 「法律案要綱(PDF;75kb)PDFファイル」をクリックするとPDFファイルが起動されます。この文書の「3 貿易円滑化のための税関手続の改善」部分に関連する内容が簡単に言及されています。
    2) 具体的な条文は、「新旧対照表(PDF;294kb)PDFファイル」のP13〜15にあります。
    * ただし、準用規定なので具体的な条文は電子帳簿保存法を確認する必要があります。

ロ 電子帳簿保存法の確認

  1. 電子政府窓口(e-GOV)のサイト(http://www.e-gov.go.jp/)を開いてください。上方の左側に「法令検索」という項目がありますので、これをクリックしてください。
  2. 「法令索引検索」というツールから目当ての現行法令を検索できます。法令名(「電子計算機を使用して作成する国税関係帳簿書類の保存方法等の特例に関する法律」)を入力して検索してください。
  3. 画面に出てきた法令を見て、該当する法令名をクリックすると条文全文が出てきます。この「第10条」をご確認ください。なお、関税法で準用していますので、電子帳簿保存法第10条がそのまま適用されるのではなく「必要な読替え」がなされたものが適用条文になります。問1答の「参考」を参照ください。

2.保存すべき情報の範囲等

問5 保存対象の範囲はどうなりますか。

 電子帳簿保存法第10条で保存対象とされているのは、「電子取引の取引情報に係る電磁的記録」です。
 電子帳簿保存法では、「電子取引」とは「取引情報の授受を電磁的方式により行う取引」、「取引情報」とは「取引に関して受領し、又は交付する注文書、契約書、送り状、領収書、見積書その他これらに準ずる書類に通常記載される事項」とされています(第2条第6号)。
 税関としては、輸出申告の内容を明らかにする書類(輸出の場合)又は課税標準を明らかにする書類(輸入の場合)の保存をお願いしております。輸出取引又は輸入取引についてのこれらの事項を電子メール本文に記載したり、添付ファイルとしているものが保存すべきものとなります。注文書や見積書などの内容に相当する事項を添付ファイルではなく、電子メール本文に記載して授受するときなど電子メール本文に取引内容が記載されている場合には、電子メール本文が保存対象になりますのでその電子メール本文を破棄しないよう気をつけてください。ただし、単なるあいさつや事務打合せなど取引内容に関する内容がない電子メールの保存は必要ありません。

問6 「電子取引」とは何ですか。

 (1)EDI取引、(2)インターネット等による取引、(3)電子メールにより取引情報を授受する取引(添付ファイルによる場合を含む)及び(4)インターネット上にサイトを設け、当該サイトを通じて取引情報を授受する取引(ASP(Application Service Provider)事業者を介した取引)が電子取引にあたります。
 輸出入貨物についての注文書、契約書、送り状、領収書、見積書などのやりとりを電子メールで行うことが主に考えられます。文書ファイル等を添付する場合だけでなく、メール本文に注文書等の内容が記載される場合も含みます。
 郵送などで書類を授受する場合やFAXで書類を送受信する場合は、電子取引に当たりません。

問7 貨物の国内仕入(輸出)や国内販売(輸入)の際の電子取引についても保存対象ですか。

 税関として保存を求めるものは輸出取引又は輸入取引に係る記録です。輸出申告の内容を明らかにする書類(輸出の場合)又は課税標準を明らかにする書類(輸入の場合)に当たる場合には、国内取引に係るものであっても保存をお願いします。
 ただし、所得税又は法人税に係る義務により既に保存されているものについて、改めて追加して別の保存を求めるものではありません。

問8 電子メール本文も保存しないといけませんか。

 取引情報が電子メール本文に記載されている場合には、電子メール本文の保存が必要になります。
 注文書や見積書などの内容に相当する事項を添付ファイルではなく、電子メール本文に記載して授受するときなど電子メール本文に取引内容が記載されている場合には、電子メール本文が保存対象となりますので、その電子メール本文を破棄しないよう気をつけてください。単なる挨拶や事務打合せなど取引内容に関する内容がない電子メールの保存は必要ありません。ただし、印刷して紙で保存する場合は、適切に整理しておく必要がありますので、例えば授受日時を明らかにする形で保存されるようお願いします。

問9 通関業者が授受する電子メール等も保存する必要がありますか。

 通関業者は、今回の保存義務の対象ではありません。
 ただし、通関業者が輸出入者の保存業務を代行しているときには、その代行業務の範囲内で適切な保存を行うことが必要です。また、輸出入者になり代わって取引情報を授受するようなことがあれば、そのメールは本来輸出入者がその立場で授受するものなので保存対象になります。
 書面の場合でも同じですが、通関業者に保存等を委託する場合、保存に不備があった場合の違反者は輸出入者となります。保存業務を委託することはできますが、委託先を適切に監督する必要はあります。

問10 輸出入者が通関業者から送付された電子メール等も保存する必要がありますか。

 通関業者から送付された電子メールのうち取引情報に係る内容があるものは、保存する必要があります。ただし、輸入取引において価格に係る情報が含まれない到着通知のみの電子メールなどの保存は必要ありません。
 なお、同じ取引資料について、海外の取引先(売手・買手)と通関業者の双方に電子メールで送る場合のように用途が異なる場合には、双方のメールの保存が望ましいといえます。

問11 輸出入の相手先との間で授受する電子メールは全て保存しないといけませんか。

 注文書など「取引情報」のやりとりに係る電子メールはすべて保存してください。輸出先(輸入元)との間の電子メールでも、あいさつや事務の打合せのみの場合など「取引情報」(問5参照)の内容を含まないものを保存する必要はありません。

問12 外国の取引先(輸出先、輸入元など)にも電子メール等の保存義務がかかりますか。

 今回の改正で電子メール等を保存する必要があるのは輸出入者です。輸出入者が送ったり受け取ったりした電子メール等を輸出入者自らが保存することになります。したがいまして、海外の相手方についての保存義務ではありません。

問13 輸出入業務を商社等に委託している場合には、委託者が電子メール等を保存しないといけないのですか。

 電子メールに限らず書類の保存は「業として輸入する者」又は「業として輸出する者」に義務づけられています。したがいまして、委託先の商社等で輸出入取引を行っていれば、その商社等が取引情報の電子メールを授受しますので、その商社等がそれを保存すれば足ります。ただし、輸出入の申告をする者が形式的な手続を行うだけで、輸出入取引の取引情報の授受は委託者が行っているような場合には、その委託者がその授受した取引情報を保存することになります。

問14 輸出入の取引をしようとして注文書等の取引情報を電子メールで授受したのですが、最終的に折り合わず、取引が成立しないことがあります。この場合の電子メールも保存しておかないといけませんか。

 税関では輸出入貨物に関する事後調査を行いますので、輸出入取引に至らなかったやりとりについての保存は原則として必要ありません。
 ただし、成約しなかった分が、違約金や損害賠償金などの形で他の輸出入取引に影響を与える場合があります。この場合、成約した取引の課税価格にその違約金がどのような影響を与えたのかは、成約しなかった分の取引情報に含まれています。このような場合には、成約しなかった取引について授受したものについても成約分に係る取引情報の一部として保存が必要です。

問15 取引の過程では電子メールで情報を授受するのですが、最終的には契約書を作成します。この場合は、最終の契約書を紙で保存すれば、注文書など、以前の電子メールは破棄していいですか。

 契約書のほかにも、発注書や見積書など輸出申告内容を明らかにする情報(輸出)又は課税標準を明らかにする情報(輸入)が含まれている場合には、取引過程の電子メールであっても保存の対象となります。

問16 輸出許可書(輸入許可書)を電子メールに添付して授受した場合も、その電子メールを保存する必要がありますか。

 輸出許可書(輸入許可書)は税関から発出されたものであって取引情報ではありませんから、何らかの事情でこれを取引相手と授受したとしても、基本的にはその電磁的記録を保存する必要はありません。ただし、わが国の税関における許可書ではなく外国の税関に係るものであって、貨物の輸出入に関する資料として授受した場合は、通常の取引書類同様に保存の対象となりますので、ご留意ください。
 なお、輸出入許可書を帳簿の代用とする場合には、従来通り、帳簿の保存期間と同じ期間、印刷した書面を保存してください。

(注)帳簿と同じ保存期間
  1. 輸出許可書:輸出許可日の翌日から起算して5年間
  2. 輸入許可書:輸入許可日の翌日から起算して7年間

3.保存の方法

問17 電子メールはどのような場所に、どのような形態で保存すればいいのですか。

 保存場所は、電子メールを授受したPCのハードディスクや標準的な記録先のサーバ等だけでなく、DVDやUSBなど外部記録媒体に保存しても構いません。さしあたり、税関としては、授受した電子メール等は、改竄(ざん)などがされることなく授受されたまま通常の状態で保存され、事後調査の際に適切に提示可能であれば結構です。また、印刷して紙で保存しても結構です。

問18 保存期間はどうなっていますか。

 電子メール等については、その取引情報が書面で授受された場合と同じ期間の保存となりますので、輸出入許可日の翌日から起算して5年です(関税法施行規則第10条において準用する電子帳簿保存規則第8条第1項及び第2項(書面保存の場合)並びに関税法施行規則第11条(輸出の場合))。なお、書面(紙)で授受された「書類」の保存期間は輸出入許可日の翌日から起算して5年ですが、輸入貨物に係る「帳簿」の保存期間は輸入許可日の翌日から起算して7年(輸出貨物の場合には輸出許可日の翌日から起算して5年)とされていますので、輸入許可書及び関係書類を輸入貨物に係る帳簿の代用とする場合には、実質的に帳簿の意義を有するため、その書類(帳簿代用書類)の保存期間は7年となります。なお、輸出について許可書等を帳簿の代用とする場合の輸出許可書等の保存期間は、輸出の場合の帳簿保存期間同様5年間となります。

問19 これまで、電子メールで取引情報を授受したときは印刷して紙で保存していたので、今後もそうしようと思うのですが、紙の保存に加えて電磁的記録の保存も必要になるのですか。

 電子メールで取引情報を授受した場合、電磁的記録による保存に限らず、印刷して紙で保存する方法も可能です。この場合は、電磁的記録を別に保存しておく必要はありません。

問20 コンプライアンスを確実にするため、取引情報に係る電子メールは、個人ごとの保存ではなく社内情報部門による一括保管にしようかと思いますが、許されますか。

 書面(紙)の保存の場合と同様ですから、適切な部署における社内一括保存は、授受した個人個人のPCで保存するより望ましい方法と言えます。但し、ファイルを移動する際に、消去したり、内容が変わってしまうようなことのないよう注意してください。

問21 電子メールを印刷して書面(紙)で保存する場合、書面には保存期間を記載する必要がありますか。

 特段、書面(紙)に保存期間を記載する義務はありません。しかし、印刷して紙で保存する場合は、適切に整理しておく必要がありますので、例えば授受日時を明らかにする形で保存されるようお願いします。

問22 保存対象の電子メールとその他の電子メールを一緒に保存してもよいですか。

 他の電子メールと一緒に保存することは特に妨げませんが、日時などから適切に検索できるように整理しておいてください。

問23 電子帳簿保存法の省令で、電子取引に係る電磁的記録を保存するための方法の一つとして、保存義務者による事務処理規程の整備が規定されていますが、ここではどのような事務処理規程が定められているのか教えてください。

 さしあたり、税関では、電子メール等が通常の状態で保存されることを求めています(問17参照)が、より精密な保存方法が「電子計算機を使用して作成する国税関係帳簿書類の保存方法等の特例に関する法律施行規則」(平成10年大蔵省令第43号。以下「電子帳簿保存規則」といいます)第8条第1項に規定されています。ご質問の事務処理規程は同項第2号によるもので、所得税等についての同様の義務に係る国税庁の通達(「電子帳簿保存法取扱通達」)では、次のように規定されています。

(訂正及び削除の防止に関する事務処理の規程)
10−2 規則第8条第1項第2号((電子取引の取引情報に係る電磁的記録の訂正削除の防止))に規定する「正当な理由がない訂正及び削除の防止に関する事務処理の規程」とは、例えば、次に掲げる区分に応じ、それぞれ次に定める内容を含む規程がこれに該当する。

(1)自らの規程のみによって防止する場合

  1. データの訂正削除を原則禁止
  2. 業務処理上の都合により、データを訂正又は削除する場合(例えば、取引相手方からの依頼により、入力漏れとなった取引年月日を追記する等)の事務処理手続(訂正削除日、訂正削除理由、訂正削除内容、処理担当者の氏名の記録及び保存)
  3. データ管理責任者及び処理責任者の明確化

(2)取引相手との契約によって防止する場合

  1. 取引相手とデータ訂正等の防止に関する条項を含む契約を行うこと。
  2. 事前に上記契約を行うこと。
  3. 電子取引の種類を問わないこと。

問24 電子メールを保存する場合、テキスト形式に変換する等をして保存してもよいですか。

 輸出入貨物の取引情報に係る電子メール等は、授受した状態のまま保存してください。数字や字句を訂正したり、傍線などが消えたり、文字化けするような変換行為は、適切ではありません。

問25 輸出入貨物の取引情報に係る電子メールの保存については、税関長の承認は必要ないのですか。

 必要ありません。

問26 サイトでの発注では、相手方サイトでの処理のため自己のPCに記録が残らないことがあります。このような場合はどうすればいいですか。

 サイトへの入力事項を保存できる場合には、その内容を保存してください。サイトへの入力・送信時点では入力者側PCに保存するステップがない場合には、相手方から送信される確認メール等は、保存する必要があります。また、電子取引に係る電磁的記録の内容を出力した書面(紙)で保存することもできますので、入力画面等を印刷して書面(紙)で保存してください。


4.罰則

問27 輸出入貨物の電子取引に係る電磁的記録の保存義務に違反すると、罰則がありますか。

 輸出入貨物の電子取引に係る電磁的記録の保存義務に違反することについての直接の罰則はありません。しかし、事後調査については正当な理由のない忌避や調査妨害等の罰則が定められています(関税法第114条の2)。電子メールについても、故意に調査妨害のために破棄したような場合にはその適用対象となり得ます。

問28 電子メール等を保存したPCの故障により保存データが消失した場合にも罰則が課されますか。

 罰則は、保存すべき書面(紙)や電子メールなどを故意に破棄することなどにより、事後調査を妨げたような場合に適用され得るものです。故障によりデータが消失したことで処罰されるわけではありません。ただし、電子メール等の保存については外部記憶媒体を使用することもできますから、なるべくバックアップなど保全措置をとっておくようお願いします。


5.その他

問29 電子メールを保存することで、輸出入者にも何かメリットはあるのでしょうか。

 輸出入貨物の取引情報を電子メールで授受した場合、電磁的記録を保存するか、出力して紙で印刷するかを輸出入者が選ぶことができます。したがいまして、自社の管理体制の都合から紙で保存することが好ましい場合には、紙で保存し、紙の保存が負担である場合は電子メールのままなど電磁的記録で保存することが可能です。
 また、紙で授受した一定の保存書類をスキャナなどにより電磁的に保存する方法は従来からありますが、厳密な要件を充足して税関長の承認を受ける必要があります。しかし、授受した電子メール等を保存する場合は、税関長の承認は不要です。

問30 電子メールの授受ではなく、紙の書類をスキャナで読み取ってPDFで保存することはできるのですか。

 できます。これは、今回改正の前から関税法第94条第3項において電子帳簿保存法が準用されて可能となっています。ただし、厳密な要件を充足して事前に税関長の承認を受ける必要があります。
 要件は、電子帳簿保存規則第3条に定められていますが、スキャナで読み取る際の解像度、スキャナの性能、認定認証事業者による特定認証業務である電子署名、(財)日本データ通信協会が認定するタイムスタンプ等を充足する必要があります。
 なお、電子メールは、電磁的に保存する、紙に印刷する、印刷した紙をPDFにして保存する(税関長の承認及び所定の方式によることが必要)といういくつかの保存方法が選べます。

(参考)
関税法第94条による保存書類の保存方法と税関長承認の有無

  1. 紙を紙のまま保存:承認不要
  2. 自己がワープロ等で作成した文書を印刷して使用したものを電磁的記録のまま保存:印刷した書面の保存の場合は承認不要。税関長承認でワープロファイルでの保存可
  3. 紙をスキャナで読み込んでPDF化:税関長承認でPDFファイルでの保存可
  4. 電子メール等で授受したもの:税関長承認なくメールのまま保存可(印刷して書面(紙)保存も可)

問31 電話により口頭で取引している場合はどうすればよいのですか。

 電話での取引交渉や口頭契約については、一般に価格交渉等取引内容に関するメモや議事録を作成すると思いますので、そのメモ等を保存していただくようお願いします。

問32 事後調査では、電子メールをどのように提示すればよいですか。

 事後調査が行われる際に、調査職員の要請に応じて、画面上でその内容が確認できるようにしてください。必要に応じて印刷した書面(紙)の提出が求められることもあります。調査の際には、取引状況に応じて容易に検索できるように準備をしておいてください。

以上