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不正薬物の恐ろしさ

覚醒剤や麻薬などは、それを乱用する人間の精神や身体をボロボロにし、人間が人間として生活を営むことができなくするだけでなく、場合によっては死亡することもあります。

また、不正薬物の乱用による幻覚・妄想が、殺人、放火等の凶悪な犯罪や交通事故を引き起こすことがあるなど、乱用者本人のみならず、周囲の人、さらには社会全体に対しても、取り返しのつかない被害を及ぼしかねないものです。

税関で押収した覚醒剤
<税関で押収した覚醒剤>

注射痕
<注射痕。画像引用:警察庁HP>

精神・身体への影響

覚醒剤をはじめとする不正薬物の乱用は、精神と身体の両面を深く致命的に破壊します。体の主要な器官に次のような深刻な悪影響を及ぼし最悪の場合死に至らしめます。

  • 脳…脳の委縮、脳出血〔記憶力低下・ぼけ症状〕
  • 眼…視神経の異常、眼底出血〔視力低下・失明〕
  • 気管支…粘膜異常〔気管支炎〕
  • 肺…粘膜異常〔肺がん〕
  • 胃…胃粘膜の異常及び出血〔胃痛・吐き気・嘔吐〕
  • 骨髄…赤血球の形成異常〔貧血〕

また、薬物の乱用により、脳の正常な発達を止めてしまい、精神のバランスを悪くさせます。また一時的に頭が冴える、神経が興奮するというような感覚を得たように感じられることがありますが、その後、脱力感や疲労感に襲われ、ついには幻覚、妄想といった症状が引き起こされます。


<画像引用:(財)麻薬・覚せい剤乱用防止センターHP>

あなたの周りの人たちへの影響

薬物乱用がもたらす影響は個人にとどまらず、周囲の人や社会全体に害をもたらします。代表的なひとつが暴力です。長い間、薬物を乱用していると、知覚障害・食欲減退・情緒障害、幻覚や被害妄想が強くなり、家族に乱暴したり、常に凶器をもち歩くなどの異常行動がめだつようになります。家族や周囲の人たちはそれらにふりまわされ、恐怖と苦痛の毎日を強いられることになります。

また、不正薬物の密売価格は高額であり、一家の大黒柱である父親が仕事をやめ、家財道具を売り払い、ばく大な借金に追い回されたあげく、家庭崩壊、生活破綻にまでいきついたり、未成年の子どもが家の金品を持ち出したりするなど、薬物乱用は経済的にも深刻な事態を招きます。

さらに、薬物乱用はさまざまな犯罪にもむすびついています。幻覚や妄想、フラッシュバック現象(※)によってひきおこされる殺人、放火、監禁、傷害などの凶悪な事件や、薬代欲しさの窃盗などがあとをたちません。

このほか、乱用薬物が国際麻薬犯罪組織や日本の暴力団の資金源になるといった社会問題など、薬物乱用による影響は広い範囲にわたり、さまざまな角度から市民生活をおびやかしています。

(※)薬物の乱用などでひとたび幻覚・被害妄想などの精神病の症状が生じると、治療によって表面上は回復しているかにみえても、精神異常が再び起こりやすい下地が残ってしまい、乱用をやめ、普通の生活に戻ったようでも、何かの刺激によって再び幻覚・妄想などの精神異常が再燃することがあります。これをフラッシュバック(自然再燃)現象といい、お酒を飲んだり心的なストレスなど、ほんの小さなきっかけでおこってしまうの です。

参考


<参照、引用先:「警察庁-DRUG2011」、「(財)麻薬・覚せい剤乱用防止センター-HP」>

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