(3) 取締機器の増強 

 1)  監視カメラシステムの導入
 平成8年3月には、夜間でも監視可能な高感度監視カメラシステムを全国の主要港等に設置するなどし、船舶等の取締強化に努めている。

 2)

 麻薬探知犬の積極的活用
 人間の数万倍の嗅覚により、不正薬物の取締りに非常に効果的な麻薬探知犬については、昭和54年6月に導入して以来、順次、配備頭数を増やすとともに、配備官署を拡大し、平成5年9月には、空港の旅具検査場内で旅客の身辺等に隠匿された不正薬物に対し座って知らせる麻薬探知犬(パッシブドッグ)を導入し、積極的に活用している。

麻薬探知犬の積極的活用

 3)  X線検査装置の積極的活用
 全国の税関官署に固定式や移動式のX線検査装置を配備し、貨物に巧妙に隠匿された社会悪物品の発見・摘発に大きな威力を発揮している。
 なお、平成13年3月には、横浜税関にコンテナ全体をトラック等に積んだまま一度に検査することができる大型X線検査装置を導入した。

 4)

 その他
 税関では、その他各種の取締機器を活用して、一般商業貨物をはじめ、海外旅行者等の携帯品検査や船舶・航空機の船内検査等を実施している。
 特に、平成10年4月から、長崎税関に配備した35m型大型監視艇を活用し、近年、不正薬物、銃砲の密輸入ルートとして注目されている南西諸島等における監視取締りを強化している。
 また、平成12年3月には、横浜税関に同様の35m型大型監視艇を配備した。

大型監視艇


(4) 関係取締機関との連携強化

 1)  関係取締機関との連携による取締り
 水際における効果的な取締りを行うとの観点から、税関、警察、海上保安庁等の取締機関それぞれが有する情報、組織、権限及び経験等を活かしつつ、関係取締機関との協力のもと取締りに当たっている。
i)  警察や海上保安庁などの関係取締機関との間で、全国各地で合同訓練、合同取締(平成12年実績:約4千回)を積極的に実施している。
ii)  コントロールド・デリバリー(注)を積極的活用している(平成12年実績:30回)。
(注)  「コントロールド・デリバリー」とは、税関等の取締当局が不正薬物を発見した場合に、直ちに検挙することなく、その監視下で引き続きその規制薬物を運搬させて取引を完結させ、荷受人等を突き止めて検挙する捜査技法をいう。

関係取締機関との連携による取締り

 2)  「密輸出入取締対策会議」等の開催
 密輸取締関係省庁の協力体制の緊密化を図り、社会悪事犯の水際検挙に向けた情報交換を行うため、「密輸出入取締対策会議」を開催(財務省関税局主催)し、中央レベルでの情報交換を推進するとともに、各税関においても関係取締機関による「地区密輸出入取締対策協議会」(約40地区にて実施)等を開催(税関主催)し、地方レベルによる情報交換を推進している。


(5) 国際的な情報交換等の推進
 

 1)  外国税関当局との情報交換の推進
 税関の国際機関である世界税関機構(WCO)及びアジア・大洋州RILO(地域情報連絡事務所:Regional Intelligence Liaison Office)を中心とする国際情報交換ネットワーク等を活用して、外国税関当局等と密輸関連情報の交換を行っている。
(参考)  RILOは、各国税関当局間における不正薬物等の密輸に関する情報交換及び、各地域における密輸傾向情報分析の強化等を目的としたWCO地域プロジェクトの拠点である。

 我が国が参加しているアジア・大洋州RILOは、昭和62年に世界で最初に香港関税消費税庁内に設置され、同地域における不正薬物等の密輸動向の分析や分析結果の参加メンバーへの通報といった活動を行ってきており、我が国もこの活動に積極的に参加してきた。平成11年1月1日、本RILOは我が国に移転され、東京税関内に設置されたRILO東京事務所において業務を開始しており、関税局・税関はホスト国税関当局として、その活動を積極的に支援している。

アジア・大洋州RILO

 2)  海外出張による密輸情報収集の充実
 特にアジア・大洋州地域を中心とし、わが国に密輸される不正薬物等の仕出地となる可能性の高い国・地域等に我が国税関職員を派遣し、不正薬物等の密輸情報の収集に努めるとともに、外国の税関当局等との相互協力関係の構築を図っている。また、我が国と同様に、不正薬物密輸対策に取り組む国・地域に情報分析担当の職員を派遣し、密輸仕出地等についての情報分析に係る意見交換を行っている。

 3)

 国際会議への参画
 世界税関機構(WCO)における監視委員会やASEM(アジア・欧州会合)関税局長・長官会議監視作業部会などの国際会議に積極的に参画し、麻薬不正取引等の監視取締りに関する意見交換や情報交換等を活発に行っている。

 

(6)  監視分野における技術協力
 
関税局・税関では、平成元年より、主にアジア・大洋州地域の開発途上国の税関業務のレベルアップを目的として、受入研修、専門家派遣及び地域セミナー等技術協力を世界税関機構(WCO)と協力して行っている。
 平成12年には、主としてアジア地域の開発途上国の税関職員を我が国に受け入れ、不正薬物を含む密輸取締りに資するため、水際での不正薬物等の効果的な取締方法、情報の有効活用、麻薬探知犬等の取締機器の活用方法等に関する講義、現場視察等による研修を実施した。

監視分野における技術協力