2008 第22号
 
職場探訪   広島税関支署 
TOPICS   税関にまつわる最近の情報です
「税関古掘れ話」   神戸税関の仕事に関わる話です
貿易統計情報   平成19年分の貿易統計(速報値)
 
  職場探訪
 ◎広島税関支署
【広島港の沿革】
 広島港は、古くは約800年前の鎌倉時代の頃に、年貢運搬用の船運が太田川河口付近に集まったことに始まりますが、明治23年に千田県令による宇品築港が完成したことによって近代港湾の第一歩を踏み出し、昭和7年に「宇品港」から「広島港」に改称されました。
 その後、昭和23年に開港指定が行われて国際貿易港としての歩みをスタートし、昭和26年には重要港湾に指定され、公共埠頭の整備や港域拡大などを経て平成4年6月に特定重要港湾に昇格しました。更に、平成15年3月には広島国際コンテナターミナルの供用が開始されましたが、平成18年における広島港全体のコンテナ取扱実績は輸出入合わせて15万7千TEUで、神戸税関管内の支署地区では最も多くの取扱量を誇っています。
広島港湾合同庁舎
広島税関支署は1、2階に入居しています
【広島税関支署の沿革と概況】
 広島税関支署は、明治32年に宇品税関監視署が設置され、昭和14年に支署に昇格し、昭和18年に税関が海運局に統合されたことにより一旦は廃止されましたが、昭和21年の税関再開により広島税関支署も再開され、その後、大竹出張所(後の監視署)の設置と廃止、広島空港出張所の設置と移転など、種々の変遷を経て現在に至っています。
 管轄区域としては、広島市、大竹市、廿日市市、安芸高田市、安芸郡、山県郡の4市2郡と、広島空港出張所の管轄区域である三原市本郷町を抱えており、広島税関支署では支署長及び2名の次長の下に1課、5部門の49名体制で、広島空港出張所では所長以下2部門の16名の体制で業務処理に当たっています。
 広島港は、従来から、地場産業である自動車及び機械類の輸出と、これらの関連部品や木材の輸入などをメインに活況を呈してきましたが、近年ではコンテナによるプラスティック製品などの輸入も増加し、昨年の貿易額は輸出入総額で1兆3,356億円(前年比119.6%)となり、過去最高を記録しました。また、広島空港については、現在、全国でも6番目となる週34便の定期路線が就航しており、昨年の出入国者数は35万9千人で増加の一途をたどっています。
(億円)             広島港貿易額推移
(万人)          広島空港出入国者数推移
【管内事情】
 皆さんも広島市の路面電車のことはご承知だと思いますが、各地の路面電車で使われていた車両も含め、実に30種類近くもの色々な形式の電車が走っているのはあまり知られていないのではないでしょうか。
 古いものでは、大正14年の開業当時の車両を使って復元した100形、大正末期に製造されて神戸市電で活躍していた570形、原爆を受けて骨組みだけになった車体を修復した650形などがあり、新しいものでは、平成11年から14年にかけて導入されたドイツの超低床車5000形(GREEN MOVER)や5000形を改良した5100形((GREEN MOVER max)など5両編成の長い車両があって、大正時代の電車と同じ軌道を走っています。
 他にも、旧西鉄北九州市内線と福岡市内線で使われていた600形と3000形、旧大阪市電の750形と900形、旧京都市電の1900形などがあり、変わったところではドイツのハノーバー市からきた200形(ハノーバー電車)もありますが、中でも、旧京都市電の電車には一台ずつ京都にちなんだ愛称がつけられており、電車の前後のプレートに「東山」、「金閣」、「祇園」などの愛称が掲示してありますので一目で判ります。神戸市電や京都市電などを懐かしく思われる方は、一度広島に足を運んでみてはいかがでしょうか。
650形電車 570形電車 5100形電車

昭和17年に製造された現役では唯一の被爆電車で、5両製造されたうち、651号と652号の2両が営業運転を続けています。

元神戸市電で活躍していた電車です。現在は写真の582号のみとなっています。

超低床式の最新の5両編成電車で、現在は8車両が営業運転を行っています。

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トピックス
 ◎神戸税関展 今年も開催!
 神戸税関では、市民の皆様方に税関の仕事や役割について、理解を深めていただくことを目的に「神戸税関展」を椛蜉ロ神戸店において開催します!

 開催期間及び主な展示品については次のとおりです。
 
 皆様お誘い合わせのうえ、ぜひご来場ください。   

♪ 開催期間中、毎日先着200名様に税関オリジナルグッズを進呈します。
平成20年2月27日(水)〜3月4日(火)
10:00〜19:30


(最終日は16:00まで)



大丸神戸店9階
ミュージアム・レストラン街
ワシントン条約該当物品
主な展示品
密輸の手口
 (麻薬等の恐ろしさを紹介したパネルや最近の  密輸事例を模型にしたものを展示)

本物・ニセ物コーナー
 (ハンドバッグ、財布等の有名ブランド品の本物 とニセモノを多数展示)
 ※ 直接触れるコーナーも設置しています。


保管紙幣コーナー
 (終戦後、外地から引揚げられた方々からお預  かりした紙幣や軍票等を多数展示)

ワシントン条約該当物品コーナー
 (ライオンの剥製や保護しなくては絶滅してしまう 貴重な動物等の加工品などを展示)

税関相談コーナー
 (海外旅行や個人輸入、国際郵便などの税関手 続きについてのご相談・ご質問にお答えします)

ビデオコーナー
 (税関の業務紹介ビデオを放映 )
<会場へのアクセス>

カスタム君も、みなさまのお越しを
お待ちしています。


税関イメージキャラクター「カスタム君」

お問合せ:神戸税関広報広聴室 078−333−3028
 ◎森本倉庫(株)に神戸税関初の特定保税承認
 2月1日、近畿、四国、中国地方で初の「特定保税承認者」となる森本倉庫且謦役社長 森本 啓久(もりもと ひろひさ) 氏に対して、小西税関長から承認通知書が交付された。

 特定保税承認制度は、「サプライ・チェーンに関与する貿易関連事業者全体において法令遵守(コンプライアンス)の体制を確立し、取組みを行っている事業者に対して簡易・迅速な税関手続を提供する」という日本版AEO制度の一環として、昨年10月に導入されたものである。

 被承認者に対しては、これまで許可を必要としていた保税蔵置場等の設置が届出により可能となるほか、許可手数料の軽減(従来の2分の1)や許可期間の延長(6年→8年)等のベネフィットが受けられるようになる。

 同社は、昨年10月以前からコンプライアンスの重要性を認識し、全社を挙げてコンプライアンスの構築に取り組んでおり、今般の承認申請に至ったものである。
 交付後、同社社長から「関西初の栄誉に恥じないよう、コンプライアンス経営に精進します。」とのコメントが寄せられた。
 ◎田中ハンドラー クロと共に着任
 成田の麻薬探知犬訓練センター室での育成訓練を終え、田中ハンドラーと共にブラックシェパードのクロ号が「とうとう!?」神戸に配属されました。神戸港において約1ヶ月間船内検査や神戸外郵出張所など色々な場所でクロ号と共に訓練を重ね、ついに1月15日から現場入りすることになりました。

 田中ハンドラーを一言で表すなら
「猪突猛進型」。
 
 検査のため、勢いよく飛び出したのは良いが帰って来ない、ということはありませんが(笑)。
 その「前へ前へ」という姿勢は、毎昼休みに行っている体力増強のためのサッカーで十分に発揮しています。

 今は麻薬探知犬管理センターのフィールドを、先輩のインストラクター等から「走れ田中」、「行け田中」、「はよ戻れ田中」と言われながら縦横無尽に駆け回っておりますが、間もなく様々な現場において、皆さんの前を元気に走り回る姿をお見せ出来ると思います。
体   高  58センチメートル
体   重  23キログラム
生年月日  平成18年8月12日
性   別  ♂
種   類  アグレッシブ
犬   種  ブラックシェパード
 田中ハンドラーとクロ号の今後の活躍にご期待下さい!
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「税関古掘れ話」
 ◎戦後における密輸動向 (平成時代)
 前号では、戦後からの昭和時代に至る我が国の高度経済成長期を背景とした密輸主体(密輸される物品など)の変化を中心に密輸動向を紹介した。
 今号は、「戦後の密輸動向(平成時代)」と題し、平成時代に入ってから現在に至るまでの密輸動向について、「白い粉・黒い武器」レポート(財務省関税局監視課発行)を参考に取りまとめた。
 特に、国内乱用者の多い覚せい剤と長崎市長銃撃事件以降、問題視されている銃砲について、その密輸入動向にスポットを当て紹介するとともに、密輸取締りの主体がこれら社会悪物品のほか、知的財産権侵害物品、ワシントン条約該当物品や偽造クレジットなどまで拡大している現状を紹介する。
 読者の皆様には、社会悪物品等を水際で阻止するために頑張っている税関職員の苦労を理解していただくとともに、密輸に関する情報の提供を引き続きお願いしたい。


「平成元年から平成5年」

 平成元年から平成5年までの5年間における情勢は、APECやウルグアイ・ラウンド交渉が開始されるなど、世界経済の安定的発展に向けた検討がされる中で、平成3年頃には、湾岸戦争が勃発したほか、ソビエト連邦が崩壊し市場経済への移行による混乱など、大きな変動のあった時期である。
 我が国では、バブル経済が崩壊し、長期の経済不況に突入した時期である。
 税関では、平成4年10月、神戸港海上貨物通関システムを導入し、通関事務のOA化がスタートしたほか、麻薬探知犬が配備されるなど適正通関と迅速通関の両立を図る施策が推進された時期である。
 この時期における不正薬物の密輸動向は、摘発実績でみると、大口押収事犯(1kg以上/件)と小口押収事犯(100g以下/件)に分化した密輸傾向が顕著に現われている。摘発件数ベースでは、平成元年から平成4年にかけて250件前後であったものが、平成5年には、349件と急増し、押収量ベースでは、平成4年に約367kg、平成5年に約652kgと増加傾向を示している。
 特に、覚せい剤の摘発実績は、件数ベースで、フィリピン仕出しのものが44%と最も多く、続いて台湾の42%と両国で86%を占めている。押収量ベースでは、台湾仕出しのものが72%と一番多く、次いで、中国が16%と両国で88%を占めている。
 特徴としては、平成5年の大麻・ヘロインの押収量の急増とあへん・向精神薬の摘発件数の伸張がある。
 また、この時期における銃砲の摘発実績は、摘発件数ベースで、平成元年から平成3年にかけ、20件前後で推移していたが、平成4年には、30件と急増し、平成5年には24件に再び減少に転じた。押収量ベースでは、平成元年に117丁と3桁台を記録したが、平成2年には30丁と1/4まで激減し、その後は多少の増減はあるものの50丁以上の押収となっている。仕出国については、件数ベースで、米国の43%が一番多く、フィリピンが12%と2番目に多くなっている。
 特に、ソビエト連邦の崩壊による混乱から旧ソ連邦時代の軍用拳銃トカレフ・マカレフの密輸入が、平成3年頃から始まり、増加傾向となっているのが特徴である。押収量ベースでは、フィリピン、米国、タイの3国で81%を占め、依然として銃砲の警戒地域となっている。
 なお、この時期における密輸手口は、不正薬物・銃砲のともに、航空機を利用したものが最も多くなっている。次いで、不正薬物は、国際郵便物の利用、銃砲は、船舶を利用したものとなっている。
(この期間の社会悪物品の密輸検挙実績)

平成元年

平成2年

平成3年

平成4年

平成5年

覚せい剤


8

35

27

16

19


9

156,325

67,009

116,358

49,833

大麻等


187

211

190.

183

192


164,657

85,220

130,053

157,782

487,467

ヘロイン


23

11

19

20

26


24,954

8,841

5,718

6,392

14,353

コカイン


22

15

12

36

22


13,459

42,061

11,131

22,602

15,811

あへん


1

8

11

29


1

10,372

13,087

16,952

向精神薬


1

1

12

61


17

10

51,271

67,634

銃砲


20

20

21

30

24


117

30

70

56

69

(注)不正薬物・銃砲の密輸入事犯の動向【大蔵省関税局監視課】掲載資料による 

「平成6年から平成10年」

 平成6年から平成10年までの5年間における情勢は、経済・社会のグローバル化・ボーダレス化の進展を背景に、国際物流や人的物流等が拡大する中で、貿易・通関手続きの国際的調和の動きや迅速な通関への要請が高まった時期である。
 平成6年4月には、ウルグアイ・ラウンド交渉が終結し、サービス貿易や知的財産権の貿易的側面の分野にも初めて国際ルールを策定したほか、GATT(関税と貿易に関する一般協定)からWTO(世界貿易機構)に発展的な移行を実現した時期でもある。
 国内では、暴力団の武装化が進み、一般市民を巻き込んだ銃器使用犯罪の多発等から、平成7年9月に、内閣官房長を本部長とした「銃器対策推進本部」が設置された。また、覚せい剤使用の低年齢化といった社会問題から、平成9年1月に、総理大臣を本部長とした「薬物乱用対策推進本部」が設置されるなど、税関の徹底した水際取締りへの期待が益々高まった時期である。
 この時期における不正薬物の密輸動向は、摘発件数ベースで、平成6年から平成9年にかけて 300〜400件台であったが、平成10年には、581件と急増し、押収量も約863kgと過去最高を記録している。
 特に、この時期の覚せい剤の摘発実績は、件数ベースで、フィリピンからのものが60%強と最も多く、続いて中国の7%となっている。押収量ベースでは、中国仕出しが61%と一番多く、次いで、香港が23%と両国で84%を占めており、台湾仕出しルートから中国仕出しルートへの変化が見られる。
また、この時期における銃砲の摘発実績では、件数ベースで、平成6年、平成7年の両年が27件、37件と多く、その後は10件台となっている。押収量ベースでは、平成6年、平成7年と100丁に近い数字を確保していたが、平成8年に半減、その後は平成9年に61丁、平成10年が20丁と増減を繰り返している。仕出地としては、依然として、フィリピン、米国が多く、密輸手口は、地方港を狙った外国籍船舶の乗組員によるものが多く摘発されている。
 密輸手口については、コンテナ貨物を利用した密輸入から、漁船を利用した洋上積替えの方法にと手口は悪質・巧妙化している。大口密輸入事犯では、中国人等の在日外国人が密輸入に関与する事例が多く見られるようになっている。
(この期間の社会悪物品の密輸検挙実績)

平成6年

平成7年

平成8年

平成9年

平成11

覚せい剤


18

14

20

23

37


357,314

13,171

528,146

63,618

544,439

大麻等


193

192

191

169

266


127,978

193,429

179,241

219,697

280,649

ヘロイン

11

32

11

12

18

3,454

3,758

3,510

2,738

3,678

コカイン


12

20

16

7

19


4,150

21,517

26,095

22,682

16,390

あへん


25

46

13

11

11


27,261

32,325

32,514

12,233

17,856

向精神薬


58

101

130

123

230


160,725

63,358

77,908

109,937

136,106

銃砲


27

37

18

19

13


97

85

44

61

20

(注)不正薬物・銃砲の密輸入事犯の動向【大蔵省関税局監視課】掲載資料による 


「平成11年から平成15年」

 平成11年から平成15年までの5年間における情勢は、前期に引続き、経済・社会のグローバル化・ボーダレス化の進展を背景に、国際物流や人的交流が拡大する中で、貿易・通関手続きの国際的調和の動きや迅速な通関への要請が益々強くなった。
 世界的には、WTOの基本ルールの例外として認められている経済連携協定(EPAやFTAといった2国間協定)を巡る動きが活発化し、我が国においても、平成14年11月、シンガポールとの経済連携協定が発効を契機として、各国との交渉が開始された時期である。
 また、平成13年9月の米国における同時多発テロ事件以降、国際物流の迅速化に加え、物流におけるセキュリティ強化が強く求められるようになる。
 国内では、米国向け海上コンテナのセキュリティ確保のため、米国関税当局が提案した海上コンテナに係る安全対策(CSI)について、平成15年3月から施行を始めている。
 この時期における不正薬物の密輸動向では、件数ベースで、平成11年から平成15年にかけて500件前後の数字であったが、特に、平成15年は、554件を摘発している。押収量ベースでは、平成11年に約2,200kgという過去最高を記録し、その後は、平成16年までは1,000kgを超える押収量を確保している。
 特に、この時期の覚せい剤の摘発実績は、件数ベースで、依然として、フィリピンや中国からのものが多く、押収量ベースでは、中国仕出しのものが88%と一番多くなっているが、平成11年頃からは、北朝鮮仕出しルートが急増している。密輸手口は、コンテナ貨物を利用した密輸入から漁船を利用した洋上での積み替えなど、ますます悪質・巧妙化している。
 また、この時期における銃砲の摘発実績は、平成12年に123丁と3桁の押収量を記録しているが、その後は、20丁から10丁台へと減少傾向にある。
 仕出地としては、その殆どが、フィリピン、米国からのものとなっており、密輸手口は、コンテナ船の乗組員による密輸や商業貨物内に隠されたものが多くあった。
 さらに、この時期の特徴として、こうしたけん銃や不正薬物といった社会悪物品の密輸摘発のほか、偽造クレジットカード、偽造ハイウェイカードや偽造商品券などの偽造品の密輸入事犯の多発がある。平成15年には、偽造クレジットカードの密輸入を12件、1万9千枚を摘発・押収している。
 また、偽造品の取締りに加え、米国の同時多発テロ事件以降、テロ・武器など大量破壊兵器関係、知的財産権侵害物品やワシントン条約該当物品などの密輸入の取締りのほか、バーゼル条約該当物品や盗難自動車など密輸出の取締りまで税関の取締対象が拡大していく時期である。
(この期間の社会悪物品の密輸検挙実績)

平成11

平成12

平成13

平成14

平成15

覚せい剤


39

57

42

20

76

s

1,450

886

202

408

327

大麻等


255

303

214

276

355

s

723

485

797

476

766

ヘロイン


13

14

11

15

9

s

1

6

5

19

5

コカイン

10

12

7

12

11

s

4

7

18

14

0

あへん


8

5

2

3

2

s

7

5

8

2

4

MDMA


26

36

44

35

43

千錠

18

85

118

172

368

向精神薬


167

89

96

89

58

千錠

141

62

90

60

16

銃砲


13

9

2

8

9


40

123

21

13

12

(注)不正薬物・銃砲の密輸入事犯の動向【大蔵省(H13〜財務省)関税局監視課】掲載資料による 

「平成16年〜現在」

 この時期での我が国は、通貨危機後のASEAN諸国の経済復興、更には中国の経済大国としての台頭といったアジアの潜在成長力の高い現状から、我が国を取巻く内外の動きがグローバル化している中で、21世紀がアジアの時代として、アジア諸国を見据えたオープンな日本を作るとしたアジア・ゲートウェイ構想が発表され、アジアの中での日本として、アジアの活力を取り込もうとする施策が展開されている。
 税関では、セキュリティ強化と貿易円滑化を両立するため、平成16年には、CSI施行の開始、平成17年には、APIS(事前旅客情報システム)や輸出事後調査制度の導入するなど、一層のセキュリティ強化を図るとともに、FAL条約締結に伴う税関手続きの簡素化など、貿易の円滑化策を推進している。
 さらに、日本版AEO制度の構築では、特定輸出通関制度(輸出)や簡易申告制度(輸入)について、使い勝手を向上させるよう改善を図ったほか、特定保税承認制度を新設するなど、コンプライアンスの優れた事業者に対するベネフィットの拡大を推進している。
 この時期における不正薬物の密輸動向は、摘発件数ベースで、平成16年までは、500件前後の数字であったが、平成17年・18年と300件台に減少し、押収量も、平成16年には1000kgを超えていたが、平成17年、平成18年と679kg、377kgと減少傾向となっている。
 特に、覚せい剤の摘発実績は、件数・押収量ベースともに、中国仕出しのものが最も多く、北朝鮮からのルートは、平成15年以降、日本海側の取締りの強化や北朝鮮籍船舶の入港禁止などの経済制裁措置から、北朝鮮からの密輸入はなくなっている。
 ただし、平成19年7月に覚せい剤が約24kg、9月には、覚せい剤が約155kg、大麻が約280kg及びMDMAが約68.8万錠を摘発するなど、カナダ来商業貨物内からの大口密輸入事犯の摘発が目立っている。
 また、この時期における銃砲の摘発実績では、平成14年、15年に13丁、12丁の押収、その後は一桁台まで減少しているが、平成18年に、再び15丁を押収している。仕出地については、米国、フィリピン、ベルギー、ロシアからとなっており、密輸手口は、外国貿易船の乗組員を介するものが目立っている。
(この期間の社会悪物品の密輸検挙実績)

平成16

平成17

平成18

覚せい剤


103

33

82

s

385

88

140

大麻等


314

243

195

s

888

588

196

ヘロイン


3

3

3

s

0

0

2

コカイン


19

5

12

s

83

2

7

あへん


6

3

6

s

1

0

27

MDMA


54

25

30

千錠

401

234

115

向精神薬


63

28

50

千錠

27

15

27

銃砲


4

2

4


5

4

15

(注)不正薬物・銃砲の密輸入事犯の動向【財務関税局監視課】掲載資料による

「密輸のない社会作りに向けて」

 国内に存在する不正薬物やけん銃は、その全てが密輸入されたものと言っても過言ではない。また、その存在自体が次なる犯罪を誘発するとした、全く歓迎できない輸入品であることは間違いないところである。
 税関では、国民の安全・安心を守るため、不正薬物やけん銃といった社会悪物品の密輸入の摘発・防止と不正薬物等の乱用者を壊滅するための活動に取り組んでいるところであるが、国内に不正薬物などの乱用者やけん銃を必要とする者が居る限り、また、密輸にかかる報酬等といったうまみがある限り、密輸入はなくすことは難しいであろう。
 私たち税関職員は、密輸の防止・摘発に向けて、職員約1,000名、2,000個の目で、神戸税関管内9県(兵庫・岡山・広島・鳥取・島根・香川・徳島・高知及び愛媛の各県)の海岸線や入港してくる船舶、輸出入される貨物などの監視取締りを実施しているところであるが、海に囲まれた日本、増加する貿易量の中で、悪質・巧妙化する密輸を完全に阻止することは難しい。
 読者の皆様をはじめ国民の皆様のご協力とご理解があれば、神戸市民約150万人、300万個の目が、兵庫県民約550万人、1100万個の目が、我が国1億2700万人、2億5000万個の目で監視することができ、密輸防止に絶対の力となるだろう。
 税関では、国民の皆様に対し、機会あるごとに、税関の取締りに対する理解と密輸に関する情報の提供についてお願いしているところである。
 今後とも、税関行政の円滑な運営に対し、深いご理解とご支援をお願いして、「密輸動向(戦後から現在まで)」の連載を終わりとします。
以上
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平成19年分の貿易統計

【平成19年分(速報値)】
http:// www.customs.go.jp/kobe/boueki/00boueki_top.htm
 神戸港   輸出  6兆2,222億円(前年比+ 8.3%) 6年連続プラス
        輸入  2兆9,981億円( 同 +12.1%) 5年連続プラス

 全 国   輸出  83兆9,407億円( 同 +11.6%) 6年連続プラス
        輸入  73兆1,157億円( 同 + 8.6%) 5年連続プラス
                             (%は前年比伸率、+は前年と比べた増加)
一口メモ 
 神戸港における平成19年の貿易額は、輸出、輸入、輸出入総額のいずれも、2年連続で過去最高額を更新し、輸出入総額は、9兆2,203億円となり、初めて9兆円を超えました。差し引き額は、3兆2,241億円の出超となり、22年ぶりに過去最高出超額を更新しました。また、地域・国別の貿易額では、EUが輸出、輸入、輸出入総額のいずれも二桁の伸びを記録し、いずれもマイナスとなった米国を抜きました。輸入額の逆転は、平成16年にもありましたが、輸出額、輸出入総額では、初めてのことです。
 輸出額の増加を牽引したのは、ブルドーザ、ショベルカーなどの建設用・鉱山用機械と自動車です。近年、神戸港は、中古建設機械、中古自動車を取り扱うオークション会社や輸出企業が多数進出しており、中古建機・自動車の一大集積地となりました。
 ロシア、中東諸国を中心とした新興国向けが大きく増加しているのも特徴です。
 今後も、更なる増加が期待されます。
 一方、輸入額を押し上げたのは、自動車、ハイテク家電などに使用されるコバルト、ニッケルなど非鉄金属や金属鉱及びくず、無機化合物などの、原材料系の品目です。これらの品目に共通しているのは、単価が上昇していることです。数量的には、微増、あるいは減少しているにもかかわらず、価額が大きく増加しました。年末・年始にかけて、小麦、とうもろこしなどの高騰により一部の食料品が近く値上げされるとの報道がありましたが、原料の高騰は、食料品に限ったことではないようです。
 家計への影響がどこまで及ぶのか、今後の動向に注目です。
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