2007 第20号
 
職場探訪   水島税関支署 
TOPICS   税関にまつわる最近の情報です
「税関古掘れ話」   神戸税関庁舎にまつわる話です
貿易統計情報   外国貿易統計を紹介します
 
    職場探訪
 ◎水島税関支署
水島港湾合同庁舎
1 水島税関支署の沿革

 水島税関支署は、昭和36年6月に「宇野税関支署水島分室」として設置され、翌昭和37年4月「宇野税関支署水島出張所」に、昭和47年5月に水島税関支署にそれぞれ昇格し、今年で45年目を迎えています。

 水島税関支署は、水島臨海工業地帯(中国地方有数の河川である高梁川の河口に形成された三角州と沿岸一帯の遠浅海面の埋め立てにより造成された水島港の区域ならびにその後背地一帯を総称し、日本有数の臨海工業地帯)の一角にあります。

 支署の管轄は、岡山県西部の5市4郡(倉敷市、総社市、高梁市、新見市、浅口市、都窪郡、浅口郡、小田郡、加賀郡)となっています。
 平成18年における管内の外国貿易船の入港隻数は4,090隻。貿易額は、輸出9,451億円(全国16位)、輸入1兆5,273億円(同10位)であり、主な取扱品目は、輸出:自動車、鉄鋼、有機化合物、石油製品など、輸入:原油・粗油、石油製品、金属鉱及びくず、石炭などがあります。

2、水島の沿革

 水島の歴史は、大正年間に実施された高梁川の改修によって生じた廃川敷に、第2次世界大戦中の昭和18年、三菱重工業鰍フ航空機製造工場が建設されたことから始まります。昭和20年4月から、米機の空襲が激しくなり、6月22日、決定的な爆撃を受け工場は廃墟と化しました。しかし、この航空機製作所建設操業が、今日の水島臨海工業地帯開発の一因となったわけです。

 岡山県は、昭和28年に水島臨海工業地帯の造成に着手し、昭和30年から始まった企業誘致では、三菱石油水島製油所、中国電力水島発電所、日本鉱業水島製油所、川崎製鉄水島製鉄所などを誘致した結果、石油、鉄鋼を中心としたコンビナートが実現し、現在では、石油精製、鉄鋼生産、石油化学工業、自動車工業他、各種企業が立地しています。

3.その他

 倉敷駅から水島地区を結ぶ交通手段として水島臨海鉄道があります。

 路線の歴史は昭和18年に三菱重工業轄q空機製作所専用鉄道として開業したのが基となり、水島工業都市開発、倉敷市交通局等による経営の変遷の後、昭和45年水島臨海鉄道が設立され現在に至っています。

 水島臨海鉄道の旅客の主力車両には「MRT300形」と「キハ20系」があります。

 「MRT300形」は同社オリジナルの車両であり、一部車両にはひまわりの絵が塗装されています。

 「キハ20系」は、国鉄が昭和40年まで製造し日本各地で使用された車両で、現役で運行しているのは、水島臨海鉄道、茨城鉄道、島原鉄道だけだそうです。車両に乗車する際は手で開け、天井には扇風機(車両は冷房化されてます)、4人がけボックス席は昔ながらのブルーシートなど、ノスタルジーな雰囲気がある車両です。一部車両にはクリーム色と朱色の旧国鉄色に塗装した車両があり、写真撮影している姿を見かけることがあります。(車両のDVDも販売されているそうです。)

 水島税関支署に隣接する水島ポートパークには、水島臨海鉄道の高架橋(水島港・アデレード港姉妹縁組10周年記念にアボリジニとオーストラリアをイメージした壁画があります。)が横切っており、支署から高架橋を走る車両を見ることができます。

水島税関支署へお越しの際には、ちょっと気にかけて見てください。
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トピックス
 ◎保管紙幣の虫干し

 8月3日、神戸税関会議室において、終戦後、引揚者から税関が預かった紙幣の虫干しを報道機関に公開し、新聞社5社、テレビ局5社の取材を受けました。当日の昼時間帯のニュースで、虫干しの様子と返還に係る問合せ先が紹介された途端、全国から電話が殺到するなど大きな反響がありました。翌日には、新聞紙上にも掲載され、虫干し後10日足らずで100件を超える問合せがありました。

 引揚者約3万5千人から預かった紙幣などは、昭和28年9月1日から返還を開始しておりますが、今なお約1万4千人分が未返還となっており、職員は、一人でも多くの方々に返還できればと対応に汗を流しています。

 保管紙幣等の返還に関する問合せ先
  (外地及び神戸港以外の港でお預かりした紙幣等についてもご相談ください。)

       神戸税関監視部特別監視官(第1担当)

       電話  078−333−3122
       E-mail 
k-tokkan1@kobe-customs.go.jp

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「税関古掘れ話」
 ◎神戸税関庁舎にまつわる話「3代目神戸税関庁舎(現庁舎)の誕生秘話」

 今回の「税関古掘れ話」は、現神戸税関庁舎(3代目)の建設にかかる「知られざるお話」について、当時の残された資料や担当者等から聴取した内容を、当広報広聴室において取りまとめたものである。

 神戸税関のルーツは、慶応3年12月7日(1868年1月1日)の兵庫開港と同時に徳川幕府によって開設された「兵庫運上所」から始まる。
 明治5年に全国の運上所が「税関」と名称を統一されたのを機とした明治6年1月に「神戸税関」と改称、現在に至っている。
 神戸税関庁舎のルーツは、明治6年12月に完成した初代庁舎、昭和2年3月に完成した二代目庁舎、及び平成10年11月に二代目庁舎を残しながら完成した三代目庁舎が現在の庁舎となっている。
 一代目庁舎は、海に面して正面を構えた石造2階建て庁舎で、当時としては、非常にモダンで立派なたたずまいであった。
 二代目庁舎は、初代庁舎よりもさらに重厚で威厳に満ちた官庁建築の雰囲気を内外部に漂わせた庁舎であり、三宮から海に向かってフラワーロードを見通せば、時計塔とその頂にある税関旗が真正面に見える。また、同庁舎は、昭和20年の神戸大空襲の際にも焼けることなく、戦後GHQに接収されていた時期をも乗り越えるなど、神戸港とともに発展した約70年の貴重な歴史が刻み込まれた「港の生き証人」、「みなと神戸」のシンボル的存在として、親しまれた建築物であった。
 三代目庁舎(現庁舎)は、神戸港とともに発展した約70年の歴史が刻み込まれた「港の生き証人」ということができる二代目庁舎を残した形で新館を増築し、客船をイメージした神戸港の新しいシンボルとして誕生した。
 このように現庁舎は、未来に向かって「再生と創造」をコンセプトに生まれ変わった。
 コンセプト「再生」は、庁舎周辺の歴史的な建築物と一体的に形成される景観を重視し、旧二代目庁舎の景観を継承するため、円形に伸びる時計塔や3階部分まで吹き抜けたエントランスホールを保存したまま新しい庁舎に再生したものである。

 創造部分は、「開かれた税関」、「親しまれる税関」として、将来にわたり市民に愛され、親しまれる新たな空間として、緑の豊かさと水の流れ、ガラスに映る時計塔を眺める中庭及び4階まで吹き抜けを擁する、開かれたイメージのアトリウムを整備し、市民の集う場所として創造したものである。
 未来に向かっては、分散した庁舎を一つの庁舎に集約し、税関業務を遂行する上での機能性を高め、高度情報処理に対応可能な施設を整備することにより、21世紀の新しい税関の姿を追求したものである。

 建築設計資料によれば、「再生」についての検討は、歴史的な建築物を保存する意味として、
 @ 歴史性  A 記録性  B 景観性  C 物語性  D 記念性
の5つの点が指摘されている。
 これらを踏まえた上で、現庁舎を再整備するに際し、二代目庁舎の扱いについて
@ 全体を保存する案   A 部分保存案   B 全面建替え案
が検討され、建物本体が持つ景観的価値、税関業務を遂行するための機能性を考慮して、内部を含めて保存、再利用する A 部分保存案が採用されることに決定した。
 こうして、二代目庁舎を記念碑的でなく有効に活用する、積極的な保存再生手法を用いて全体整備を図ることを三代目庁舎建設の最大のテーマに決定した。

 コンセプト「創造」については、貴重な歴史的なストックである建築物を保存することや中庭に代表される市民に「開かれた税関」をイメージする空間への再生は、重要な「創造行為」として、公共建築物に求められる社会的な責任を果たすことになった。
 具体的な創造行為としては、まず1点目が、旧庁舎時代のロの字型平面の中央にあった2層吹き抜けの空間フロア(写真1:旧本館1階フロア風景)については、税関職員と通関士などの専門業者のみが出入りしていたスペースであるが、天井部分を撤去し中庭(写真2:現庁舎中庭)に再生することで、一般市民が自由に出入りできる空間として、「開かれた税関」を象徴するものに整備・創造した。
写真1:旧本館1階フロア風景 写真2:現庁舎中庭
写真3:中庭のベンチ
 また、中庭にある2台の石製ベンチ(写真3:中庭のベンチ)については、旧館時代の1階事務室にあった各通関部門の受付カウンターとして使用されていた石版をベンチの台座部分に再生することにより、閉鎖された室内使用から自由な中庭での活用へと転換を図り、「開かれた税関」を物語る再生となった。
 2点目は、旧税関長室にあった壁面装飾(写真4:旧館2階石膏レリーフ)を拡大し、アトリウム正面最上部の石膏レリーフ(写真5:新館アトリウム石膏レリーフ)として設置し、伝統の継承といったイメージ付けを行った。
写真4:旧館2階石膏レリーフ 写真5:新館アトリウム石膏レリーフ
↑ 写真をクリックして下さい、壁面装飾が拡大して見られます。↑
 3点目は、中庭に独立して立っている9本の柱列(写真6:中庭の柱列)は、旧館時代の2層吹き抜けの屋根部分を支えていた柱をそのままの形で保存し、当時の空間的な記憶を刻むものとして継承したものである。
写真6:中庭の柱列
 4点目は、中庭中央にある噴水(写真7:中庭中央にある噴水)であるが、旧館の外構に用いられていた敷石を利用し、長年の使用により醸し出される存在感のある風合いを生かすため、そのままの状態で組み上げ、モニュメントとして再生したものである。

 また、現庁舎の竣工に携わった担当者から聴取した「知られざる話」として、現庁舎の時計塔にある大時計(写真8:時を知らせる大時計)にまつわる話がある。
 この大時計は、阪神大震災から止まっていたのであるが、平成10年11月26日に開催した3代目庁舎の竣工式において、来賓者である、谷垣副大臣、渡辺関税局長、笹山神戸市長、奥村日本関税協会神戸支部長等の出席者と主催者である仁尾神戸税関長による「テープカット」の時に合わせ、再び時を打ち始め、神戸復興の始まりを市民に告げたのである。
写真7:中庭中央にある噴水 写真8:時を知らせる大時計
 さらに、コンセプト「未来に向かって」については、5つの建物に分散していた旧庁舎は、現庁舎に効率よく1つの庁舎に集約されたほか、事務室エリアは、全室OAフロアを採用し、各種通信設備や十分な電気容量を備え、21世紀に向けて高度情報化する税関業務に対応できるものとして整備した。
 アトリウムの5階には、風向、風力、降雨センサーと連動し、自動制御により開閉する窓(写真9:5階部分の自動制御による開閉窓)が設置されている。この窓は、1階の窓とも連動することで、自然換気を誘引し、中間期でも快適な執務環境を提供している。
写真9:5階部分の自動制御による開閉窓
 その他雨水利用のための雨水貯水槽や蓄熱槽の採用により省エネルギーと電力利用の平準化を図った。
 このように現庁舎は、旧庁舎の威厳をそのまま継承し、21世紀に対応した新しい庁舎ということができるものである。

 最後に、三代目庁舎の建設については、単なる庁舎の建設ということではなく、神戸税関職員の気概と神戸市民の厚い期待を担って行われた事業といえる。
 現庁舎の竣工は、あたかもずっと以前から神戸の地に息づいていたかのように、神戸の街の景観に溶け込み、周辺の歴史的な建築と連携して、神戸の街にさらに深い厚みを加えている。
 神戸市民に対しては、神戸復興のシンボルとして、復興の始まりを告げるとともに、勇気を与えた庁舎の竣工であった。
以上
「参考文献」
   KOBE CUSTOMS神戸税関
      発行者:建設省近畿地方建設局営繕部
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今月の貿易統計
【平成19年上半期分】(http://www.customs.go.jp/kobe/boueki/00boueki_top.html

神戸港 輸出 2兆9,797億円 (前年同期比+  9.1%) 11期連続プラス
輸入 1兆4,845億円 (   同   + 14.4%) 10期連続プラス
全 国 輸出 40兆3,650億円 (   同   + 12.8%) 11期連続プラス
輸入 35兆2,323億円 (   同   +  8.2%) 10期連続プラス
一口メモ

 平成19年上半期の神戸港の貿易額は、輸出、輸入、総額いずれも上半期としての過去最高を更新しました。輸出と総額は、昨年に続いて2年連続、輸入は、1990年以来17年ぶりの過去最高となりました。輸入と総額については、下半期も含めた、半期分としての過去最高も更新しています。

 輸出は、建設用・鉱山用機械、自動車が好調で、下半期を含めた半期分での過去最高を更新しました。建設用・鉱山用機械は、イラン、UAE、サウジアラビアなどの中東向けがけん引しており、昨年上半期に好調だった米国向けは、逆にマイナスとなりました。自動車は、EU向けの新車と、ロシア向けの中古車が、好調を持続しています。神戸港では、港湾関連用地への、建設機械、中古車オークション・輸出企業の集積が進み、ここ数年で、建設用・鉱山用機械、中古車の輸出が飛躍的に伸びています。主要地域別では、中東が+84.5%と、著しい伸びを示しており、プラント関連部品の輸出も好調で、オイルマネーに沸く中東は、今、最も“旬”な地域といえるでしょう。来年、北京オリンピックを控えた中国は、昨年上半期の中国新幹線車両輸出の反動減もあって、+0.3%と横ばいで推移し、建設用・鉱山用機械がマイナスとなった米国は、▲1.8%と、7期ぶりのマイナスとなりました。

 一方、輸入は、ニッケル、コバルトなどの非鉄金属が引き続き増加しており、伸び率は+92.1%で、ほぼ倍増、増加額も417億円と桁違いの伸びとなりました。これだけの金額の伸びにもかかわらず、非鉄金属全体の数量は、▲7.2%と逆に減少しており、素材単価の上昇による増加であることがわかります。また、音響・映像機器(含部品)のうち、ブラウン管テレビの輸入が大きく減少しており、需要が薄型テレビへ移行したことを反映したものといえそうです。主要地域別では、米国は横ばい、EU、アジア、中国はいずれも2桁の伸びで、EUは非鉄金属、アジア、中国は家庭用ゲーム機を中心としたがん具及び遊戯用具、衣類及び同付属品がけん引しています。

注1: %は前年同期比伸率、+は増加、▲は減少
注2: ○期連続(ぶり)プラス(マイナス)は、下半期も含めてカウント

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    注:記事に関するご意見や投稿は
               神戸税関総務部広報広聴室(
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