2007 第21号
 
職場探訪   松山税関支署 
TOPICS   税関にまつわる最近の情報です
「税関古掘れ話」   神戸税関庁舎にまつわる話です
貿易統計情報   特集「こうべ港開港140年」
 
  職場探訪
 ◎松山税関支署
<松山税関支署の入居する松山港湾合同庁舎> <宇和島出張所の入居する宇和島港湾合同庁舎>

 松山税関支署は、昭和16年(1941)4月に設置された神戸税関松山派出所を前身に、昭和28年(1953)9月、今治税関支署松山出張所として設置されました。昭和29年(1954)、松山港が開港指定されたことにより、昭和32年(1957)4月、松山税関支署に昇格し、今年で昇格50年を迎えました。

 管内の宇和島出張所は、支署よりも歴史が古く、明治32年(1899)4月に神戸税関宇和島監視署として設置され、昭和47年(1972)5月に出張所に変更になりました。

【管轄区域】
 愛媛県のうち、松山市、宇和島市、八幡浜市、大洲市、伊予市、西予市、東温市、上浮穴郡、伊予郡、喜多郡、西宇和郡、北宇和郡南宇和郡の7市6郡が管轄区域となっております。(下線表示は、宇和島出張所管轄)

 管轄内の海岸線は、県西部に突き出た佐田岬半島を挟み北に伊予灘、南に宇和海に接する約1000qの海岸線を有し、168の港があります。また、松山の中心地から西へ約6km、支署から南へ約3kmの地点に松山空港があり、県都から最も近い空港として知られています。

【管内事情】
 松山港地区は平成5年、FAZ(フォーリン・アクセス・ゾーン 輸入促進地域)の指定を受けその構想に伴う事業が着々と進められ、中核施設である”愛媛国際物流ターミナル”(アイロット、総合保税地域)が平成8年1月に、”愛媛国際貿易センター”(アイテムえひめ)が同年3月にそれぞれ完成しました。また、松山港におけるコンテナ貨物取扱量の増加に伴い、外港新埠頭の造成整備が進められ、平成14年4月には、水深10m(1万トン級)コンテナ岸壁が完成し、現在、4航路週8便の定期コンテナ船が就航し、更に水深13m(4万トン級)の整備が進められています。

 平成18年の管内の貿易額は、輸出1,359億円、輸入538億円と総額で過去最高を記録しております。

 一方、平成7年4月に税関空港として指定された松山空港は、韓国ソウルとの定期便が週3便、中国上海との定期便が週2便とそれぞれ就航しております。
    
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トピックス
 ◎かすたむすフェスタ

 11月23日(金・祝)、税関記念日関連行事として、「第9回かすたむすフェスタof神戸税関」を開催しました。

 同フェスタは、神戸港のシンボル的存在である神戸税関・本関(ほんかん)庁舎を広く市民の方々に開放し、「開かれた税関」、「親しまれる税関」を来場者にアピールするとともに、税関業務に対する理解を得ることを目的としています。

 当日は、神戸市内の小学校約170校から応募のあった10,000点を超える作品の内、特に優秀であった作品約700点を展示する「児童絵画・書道作品展」の公開や、神戸税関音楽隊や兵庫県警察音楽隊らが出演した「ホールコンサート」の開催のほか、「麻薬探知犬によるデモンストレーション」などの恒例行事を実施しました。

 また、今年が丁度神戸開港140年の節目の年であることから、「神戸港歴史街道」と銘打ち、神戸港の歴史パネルや貿易統計パネル約50枚を展示しました。

 当日は、新聞やテレビによる事前報道の影響か、昨年を大きく上回る約2,300人もの来場者をお迎えし、大盛況のうちに終了しました。
絵画作品 書道作品
麻薬探知犬デモンストレーション
カスタムちゃんと写真撮影!
保管紙幣 (旧税関長室)
カスタム君 わなげ♪
〜 ホールコンサート 〜 

神戸税関音楽隊
PFM 兵庫県警音楽隊
    
 ◎薬物及び銃器取締強化期間 10月1日〜10月31日
各地からのキャンペーンリポート

本関
10月4日(木)
さんちかOPA前
外郵
10月18日(木)
郵便事業叶_戸支店前
姫路
10月1日(月)
山陽百貨店前
尼崎
10月20日(土)
阪神尼崎駅前広場

@
10月7日(日) 
境港水産まつり
  境港魚市場
A
10月20日(土) 
米子空港まつり
  米子空港
水島
10月3日(水)
JR倉敷駅改札前
広島
10月4日(木)
広島市中区本通(パルコ前)

10月19日(金)
呉中央桟橋
福山
10月2日(火)
JR福山駅
小松島
10月18日(木)
徳島県郷土文化会館
坂出
10月13日(土)
ゆめタウン高松(高松市三条町)
松山
10月12日(金)
松山空港
今治
10月13日(土)
フジグラン今治店
高知
10月11日(木)
高知市帯屋町商店街
広島空港
10月1日(月)
広島空港ターミナル
尾糸
10月4日(木)
JR三原駅
岡山空港
10月10日(水)
岡山空港
      
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「税関古掘れ話」
 ◎戦後における密輸動向 (昭和20年以降の昭和時代)

 連載の「税関古掘れ話」は、今号から「戦後の密輸動向」と題し、戦後から現在に至るまでの間、税関の取締対象である密輸主体(密輸物品)が、その時代の国民生活の現状や経済状況などを背景として変化している状況について取りまとめることとし、今号が(戦後から昭和時代の末まで)、次号が(平成時代)と2回にわたってお送りすることとしたい。

 密輸は、密輸を実行する者にとって、必ず摘発といったリスクが伴うものであるが、このリスクをも超えたうまみ(時にお金であり、時に武力である。)があることから、現在にいたっても密輸が絶えることがない。

読者の皆様には、移り変わる密輸主体を追いかける税関の苦労を理解していただくとともに、不正薬物等の密輸に関する情報提供へのお願いを込めて、「戦後の密輸動向(戦後からの昭和時代)」をお送りする。

「戦後から昭和25年」
 昭和21年6月1日、税関再開の第1歩が踏み出されるとともに、同4日、密輸の徹底的な取締りを促進させることを目的にした「違法輸出入貿易に関する覚書」が発せられ、税関の密輸取締りがここから再開された。

 戦後における税関の仕事は、引揚者の処理と密輸取締りから出発し、5年後の昭和25年には、1,500件を超える密輸入事犯を検挙している。

 この時期の密貿易は、戦後の混乱期を反映した集団的・暴力的・計画的な大規模密輸が全国各地で広範に発生し、著しく悪質化しているのが特徴である。

 密輸出は、主として機帆船や小型船を利用した文房具・薬品・繊維製品・機械工具類・日用品などが朝鮮や台湾などに向けて行われ、密輸入は、戦後の物不足から、朝鮮や台湾などからの海産物・薬品・砂糖・サッカリンなど、食品等の生活必需品が主体となって行われた。

 また、貿易面では、輸出が昭和24年12月1日から、輸入が昭和25年1月1日から、それぞれ完全な民間貿易へ移行した。
(5年間の密貿易の検挙実績)
「昭和26年から同30年」

 この時期(昭和26年〜同28年頃まで)は、民間貿易の再開や各種統制の撤廃、国民生活の安定から、密輸の基盤が船舶の入港の多い主要港へと中心を移し、その方法も、主として外国貿易船を足場に、いわゆる買出人・密輸ブローカー・中国人船員などによる高関税率品目であった時計・貴金属・医薬品・たばこの密輸入事犯が多発した。
昭和27年後期からの密輸形態は、組織的かつ大規模な事犯が目立つようになってきた。
 密輸出では、朝鮮動乱を背景にして、電気機器・機械工具類・医療器具・理化学実験器具などの中国本土向け戦略物資が香港へ送られはじめ、韓国方面へは、日用品・化粧品・雑貨などが多くなりはじめる。
 この時期の密貿易は、戦前の状態に復帰する過渡的段階にあったといえる。
 昭和29年から同30年にかけては、内外の情勢が安定し、対外貿易も正常化したことから、密輸の形態は、単純な暴力的・集団的な密輸は姿を消し、正常貿易に便乗した
@ ミシンやトランジスターラジオなど、外為法や輸出入取引法に定めるチェックプライス(最低輸出価格)を下回る価格で契約し、税関に高価申告する事犯
A 外貨割当制度によって輸入制限のある羊毛などは、制限のないアンゴラ山羊の毛と品名詐称等による虚偽申告事犯
など、巧妙かつ知能犯的な密輸事犯が急増した。
 そのほか、郵便物を利用した密輸事犯が多発したほか、民間航空の発展につれて飛行機を利用した麻薬や貴金属の密輸など、密輸の形態も多様化を見せている。
(5年間の密貿易の検挙実績)
「昭和31年から同39年」

 この時期の前半は、貿易の自由化の進捗から輸出入規制が次第に緩和されるとともに、正常貿易に便乗した事犯が減少していったが、自由化の遅れた農林物資については、輸入規制による内外の大きな価格差から、この時期の後半に至っても虚偽申告の対象とされた。
 また、この時期の初期には、密輸入の主体が中級クラスの時計であったが、国産時計の品質の向上から、稀少価値のある高級時計・貴石・貴金属など、高関税品目の密輸入が急増したほか、麻薬事犯の増加がこの時期の大きな特色である。
 貴石・貴金属・高級時計等の身の回り品の密輸手段については、旅客や乗組員の身辺隠匿による事犯が増加した。
 麻薬等の密輸事犯は、少量で隠匿性が高く、巧妙かつ計画的に行われたことから、摘発は困難を極めた。昭和37年には、麻薬中毒者が判明しただけでも、1,806名(厚生省調べ)に達し、重大な社会問題化したことから、取締官庁から成る「麻薬対策推進本部」が設置し、水際での摘発体制を強化した。
 税関では、麻薬専担班を設置し、情報活動の強化を図るとともに、密輸組織の系統的な把握に努め、警察や麻薬取締官と連携して幅広い取締りを展開した。
(この期間の密輸検挙実績:2年毎)
「昭和40年から同50年」

 この時期の密輸は、国民の消費水準の向上から、貴石・貴金属・高級時計・高級ライターなどの高関税率品目で、かつ稀少高価値物品の密輸が増加した。
特に、昭和39年の観光渡航の自由化以来、海外旅行者が急増し、一般旅客の中にも貴金属などを身辺に隠匿する事犯が目立つようになり、昭和45年には、旅客による密輸入件数が乗組員による密輸入件数を上回る結果となった。
 当時、厳重な輸入規制のあった金塊については、密輸利潤(ロンドン等:470円〜490円/g⇒東京:約700円/g)が高かったことから、組織的な密輸常習犯の密輸主体となった。金塊は、運び屋を使って、特製チョッキ(金塊を入れるポケットの着いた密輸用に作られたチョッキ)に1kg金塊を30個〜50個を隠匿して、羽田空港や伊丹空港から密輸しようとした事犯が多発した。
我が国では、昭和47年4月に金地金が輸入自由化されたため、密輸利潤が無く、うまみが喪失したことから密輸入がなくなり、逆に、輸入規制のある韓国向けへの密輸出へと変化していった。
また、この時期の後半は、第2次覚せい剤乱用期に入り、薬物乱用者が青少年層に広まる傾向が現われ、大麻、覚せい剤やLSD(幻覚剤)といった多種多様な不正薬物事犯が多発したほか、暴力団の勢力拡張のための武装手段としてけん銃の密輸入事犯が増加するなど、社会悪物品が密輸入主体となってきた。
(この期間の密輸検挙実績:2年毎)
「昭和51年からの昭和時代」

この時期の密輸は、高度経済成長期を背景に国民生活も豊かになるに連れ、海外旅行に手軽に行けるようになるなど海外旅行が本格化したことから、旅行者によるわいせつ物品、いわゆるポルノ関係の本やビデオなどの密輸入事犯が急増するとともに、欧米の乗組員によるウイスキーやタバコなどの嗜好品のミニ密輸が多発するなど、密輸主体が多種多様化した。
さらに、乗組員による身辺隠匿の方法などによる韓国・台湾ルートの覚せい剤が密輸入される事犯が増加した。
また、密輸手口については、旅行者や乗組員による携帯密輸入のほか、国際郵便等を利用する方法、商業貨物や別送品に隠匿する方法など密輸手段も巧妙化かつ組織化した。
特に、昭和60年台には、コンテナ本体やコンテナ貨物を利用した大口事犯が摘発されるなど、密輸手口も国際化・スピード化されるようになった。
税関では、社会悪物品の密輸入が社会問題かしたことを受け、昭和50年代後半から不正薬物やけん銃といった社会悪物品の密輸入の摘発に重点を置いた取締りを行った。
(この期間の密輸検挙実績:3年毎)
「次号(平成時代)」

 以上、戦後の混乱期からバブル景気の始まる昭和60年代までの間における我が国の経済成長等を背景に、密輸される主体や密輸手口が大きく移り変った様子について取りまとめてみた。
 戦後の40年間、国民生活も大きく様変わりしているが、この間における税関も、大型監視艇の導入(昭和53年)やエックス線貨物検査装置の導入(昭和62年)といった検査機器の充実を図るとともに、商業貨物の一貫取締体制を実施するなど、税関の取締体制や取締手法等の近代化を図っている。
 次号では、平成時代に入り、世界では、ソビエト連邦の崩壊による市場経済への移行、米国の同時多発テロ事件にはじまるテロ事件の多発と世界を混乱する大事件の勃発、国内では、不正薬物の使用の低年齢化から、長崎市長の銃撃事件など、不正薬物や銃砲に絡んだ事件が大きな社会問題となっていることなどを背景とした密輸動向の変化を捉えていくこととする。

以上
「参考文献」
   ・ 税関百年史 昭和47年11月28日発行
        編集 大蔵省関税局(現 財務省)
        発行 財団法人 日本関税協会
   ・ 新聞発表資料 (大蔵省)
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今月の貿易統計
 ◎神戸港開港140年と、10月18日の「統計の日」にちなんだ特集


 下記をクリックして詳細をご覧下さい。 

1  はじめに

2  時代別にみた貿易の変遷
   (1)  草創期   (1868(慶応3)-1872(明5)
   (2)  発展期   (1873(明6)-1911(明44)
   (3)  黄金時代 (1912(大元)-1945(昭20)
   (4)  安定期   (1946(昭21)-1972(昭47)
   (5)  激動期   (1973(昭48)-2007(平19)

3  参考

4  神戸港貿易額一覧表


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