2005.08 第5号
 
職場探訪   監視部 検察第1部門
TOPICS   税関にまつわる最近の情報です
友の会(今月の訪問者)コーナー   皆様の参加コーナーです(投稿・歓迎いたします)
連載「税関古掘れ話」   税関に関する古いお話です
貿易統計情報   外国貿易統計のトピックスを紹介します
お知らせ   今月は税関からのお知らせです
 
 
職場探訪
◎監視部 検察第1部門
   
  密輸は古来より行われておりますが、密輸される品物は戦前戦後を通じて大きく移り変わっています。しかしながら麻薬類に関しては、ことに覚せい剤にあっては幾度もの乱用期を経て依然として後を絶たない状況です。
近年は、男女を問わず若年層を中心に急激に浸透している麻薬類として、覚せい剤とほぼ類似の興奮作用を有し、視覚、聴覚を変化させる作用のあるMDMA(通称:エクスタシー)が密輸入される薬物の主流の一つとなっており懸念されているところです。
 今回は神戸税関の中にあって、我々、監視部検察第1部門が麻薬類の密輸に対してどのような対処をしているかご紹介します。
 一口でいえば、水際において摘発された麻薬類について、密輸入に関係した人物を特定し調査を行い、事件の解明に向けて全力を傾注している組織です。
 スタッフは6名で、広島県警への出向経験者、兵庫県警からの出向者、他税関における密輸調査の経験者等々、この道に携わった職員が多いのが特徴です。

 昨年、このスタッフがあっと驚く事件が神戸港において摘発され新聞紙面を賑わせました。
事件を簡単に紹介しますと、オランダ王国を仕出しとした木製テーブルをくり貫いて、大量のMDMAを隠匿密輸入しようとしたものです。

プレス発表の模様(平成16年11月19日、神戸税関7階大会議室) MDMA 


 MDMAの密輸入は従来、航空機を利用した旅客がキャリーバックあるいは身辺に隠匿して国内に持ち込むという事例が大半でしたが、今回の摘発は国内において初めて海上貨物を利用したものであり、かつ、過去最高の摘発数量でした。通報を受けた我が検察第1部門は直ちに現場に赴き、事件の概要を掌握するとともに、事件の重大性から検察庁及び取締関係機関と今後の調査(捜査)方針について検討、貨物の配送先が九州ということで現地の関係機関とも連携した調査を行うこととなりました。
 税関の調査権限は限られていることから、このような薬物事件においては関係機関との共同調査なくして事犯の解明はありえないのです。
 かくしてこの事件は九州を舞台として、イスラエル人及び暴力団関係者等による至上まれにみる大量薬物密輸入事件の実態が明らかとなりました。
 このように検察第1部門は麻薬等の調査においては、不正取引の背後関係を突き止めるため警察、海上保安庁、厚生労働省麻薬取締部等の取締関係機関と一丸となって取り組んでいるのです。
しかしながら不正薬物はかなりの量が国内に蔓延しており、水際における摘発は氷山の一角と思えることから関与者に対しては、捜査技法を駆使して一網打尽の摘発を目指しているのです。
 健康を阻害し、薬物依存による粗暴犯を生む原因となりうる薬物については何としても国内流入を阻止しなければなりませんが、全国で日々膨大な量の貨物が輸入され、長い海岸線を有する島国日本においては、一般市民の方々の情報提供なくしては薬物の摘発は非常に難しい状況です。
 皆様からの情報提供を心からお待ちしています。

フリーダイヤル 0120−461−951
                 シロイ クロイ
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トピックス
◎戦後60年 返還紙幣 一般公開

 戦後60年を迎える今年は、神戸税関管内の支署(4支署)ではじめての紙幣の一般公開を行ないました。
 

広島税関支署 水島税関支署
松山税関支署 坂出税関支署高松出張所

 神戸税関に問い合わせていただければ、全国の税関で保管されている紙幣・証券類の調査をいたします。お心当たりの方は、ぜひお問い合わせください!!

 (お問い合わせ先)   
   神戸税関監視部特別監視官
     078−333−3122       
    E-Mail:
k-tokkan1@kobe-customs.go.jp

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友の会(今月の訪問者)
川西地域交通安全推進委員協議会
 7月27日(水)四谷 勲会長以下19名の川西地域交通安全活動推進委員協議会員、川西警察署員2名、川西市職員3名が広報展示室見学で神戸税関を訪れました。

 同協議会は、警察や市と協力し、川西地域において子供と高齢者の交通事故防止やシートベルトやチャイルドシートの正しい着用の徹底、迷惑駐車防止などの街頭啓発活動を積極的に行う団体です。

 広報活動を主に行なっている団体らしくみなさん元気よく神戸税関庁舎の歴史や貿易と税関の役割について勉強しました。
 また、協議会員の中にはお孫さんを税関職員に持つ方もおり、ハイグレードな質問が飛び交い当関広報室員をドギマギさせながらの有意義な見学となりました。

 最後に川西美人広報!5人衆!!?よりひとこと
「今日は、かなり楽しく勉強させていただきました。」
とのありがたいお言葉がありました。
 またのお越しをお待ちしています。

 
展示室での一コマ 四谷会長(右から3人目)と川西美人広報5人衆

夏休みの宿題
 夏休みも真っ只中。広報展示室には、夏休みの宿題なのか、小さなお客様で連日賑わっています。
 そんな、来関者の中でも、広報室に質問の数々を紙に書いて持ってきてくれた生田中学の齊藤さんと半澤さんの勉強模様を紹介いたします。
 地域調べという夏休みの宿題で校区内にある神戸税関を選んだとのこと。
 神戸税関の歴史や管轄、税関の主な業務等の勉強を二人は積極的に学んでいました。
 
☆まるで生きているみたい!!☆
《ホントは触っちゃダメだよ!》
★机の中に麻薬が隠されている(驚)★
 
税関業務を勉強した2人の感想
 齊藤さん「けん銃とか覚せい剤とかが密輸入されている現実にびっくりした。税関の方に頑張って阻止して欲しい」
 
 半澤さん「金属探知器を使って訓練を行なうことができ勉強になった。」


 そんな二人を影から暖かい目で見つめる1人の影がありました。
 齊藤さんのお母さん。(お疲れ様です!)

 暖かい親の感情に少し感動させられました。

 夏休みの最後にまとめて宿題をこなすことが普通だった私(広報室員)が2人に

「夏休みもまだ入ったばかりなのに宿題にとりかかるとは優秀だね。やるじゃない。」
すると
「宿題やらないと親がどこにも連れて行ってくれないからだよ!」との返答。

 宿題を早くこなす努力は、子供はもちろん親も大変だなと痛感しました!!


☆団体(10名以上)で税関広報展示室見学を申し込まれた場合、9階屋上もご案内いたします。
☆見学申し込みはコチラ
http://www.kobe-customs.go.jp/40koho/00koho.htm
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連載「税関古掘れ話」D
吉兵衛と海舟:海軍操練所 
 兵庫開港として、実際には神戸が開港されたのには理由がある。
神戸は、大型艦船が安全に停泊できる泊地があり、兵庫に比べて人口が少なく外国人との摩擦回避や居留地用地確保が容易なことに加え、運上所用地や貿易用波止場として直ぐに使える海軍操練所があったことだ。

 海軍操練所とその前章となる神戸村船たで場(ドック)について触れたい。
二つ茶屋(今の元町4丁目付近)の網屋吉兵衛は、兵庫や神戸に入港する諸国通いの船が、わざわざ讃岐の多度津まで修理(船底を焼燻し、貝や船食虫の付着を防ぐ)に行く不便を解消するため、神戸に船たで場を作りたいと考え、家業の呉服雑貨商をしながら、海流や潮の干満、工法等を長年研究していた。
吉兵衛は、61歳で家業を息子に譲った後、役所で工事の特許をとり、私財全てを投じて、神戸村の安永新田(生田川尻西)に船たで場を造る工事に取りかかった。
 葦の茂る湿地帯に入江を造る難工事は、土砂崩れや台風に悩まされながらも、3年後の安政2年(1855年)3月、東西に110m、南北に90mと50mの大小2つの船たで場は完成した。神戸開港13年前のことであった。
途中、資金が底を尽き築造中の船たで場を抵当に入れたため、残った大きな借金は神戸村が肩代わりし、70歳の吉兵衛は船たで場の管理人扱いとなった。

 吉兵衛の船たで場を高く評価したのが幕府海軍奉行並の勝海舟。咸臨丸(300トン)艦長として太平洋を横断した勝は、諸外国に対抗するには海軍を造ることが重要と考え、京に近く港として優れたこの地に摂海防衛の拠点、海軍操練所を造り、優秀な人材(乗員)を養成しようとしていた。
文久3年(1863年)4月23日、摂海防衛のため西摂海岸を巡視した18歳の将軍家茂は、安永新田に上陸して土地の一古老である78歳の吉兵衛に面会し、船たで場建設を労い、開港地として神戸が如何に優れているかを聞いた。
吉兵衛と将軍が会った翌24日、勝海舟は「神戸海軍造艦所御取御用並に摂海防御掛」の辞令をもらい操練所開設の道が開いた。

 元治元年(1864年)5月、吉兵衛の船だて場とその東約1万7千坪を用地にドックや教練場が造られ、練習船として「観光丸」「黒竜丸」の2隻の軍艦も配備され、神戸海軍操練所(海軍局、海軍営等とも呼ばれた)が開かれた。
操練所は、兵学校と機関学校、工廠を兼ね、一級の指導者のもと海軍の基礎は固まるかに見えたが、「禁門の変」を口実にした反勝派の動きにより、僅か1年も経ない慶応元年(1865年)3月に閉鎖となった。
勝海舟を慕い、全国から集まった塾生は勤皇・佐幕入交じり約200人。塾頭の坂本竜馬、後の外務大臣陸奥宗光、日清戦争を勝利に導いた伊藤佑亨等多くの人材を輩出した。

 この「船たで場」、「操練所」跡が整備され、開港時唯一の波止場(東西約110m、南北役130m)となり、敷地内に運上所(びーどろ屋敷)や倉庫が建設された。また、開港後暫くの間、操練所の建物(教場)は英領事館として使われた。

 勝海舟の直筆の「海軍営之碑」について触れる。碑は運上所構内に建てられたが、明治維新後の粗末な扱いをみた生島四郎太夫が奥平野の別邸に移し、更に勝海舟の縁故者が大正の初めに諏訪山に移設、昭和48年メリケン横(現在のメリケンパーク東側基部)に複製が建てられた。
 新港第1突堤入口に「網屋吉兵衛の顕彰碑」、京橋東口に「旧海軍操練所碑」(戦艦の碇と本のオブジェ)、諏訪山とみなと公園に「海軍営之碑」、神戸地方合同庁舎内に「税関発祥の地記念碑」がある。いずれも同根で明治、大正時代の税関構内(今は阪神高速京橋ランプとなっている第1波止場とその周辺)が本来の場所である。
網屋吉兵衛の顕彰碑 旧海軍操練所碑」(戦艦の碇と本のオブジェ)

 神戸税関の記録に残る勝海舟の海軍営之碑文

  文久三年歳次葵亥四月二十三日
  大君駕火輪船、巡覽攝播海濱至干神戸、相其地形、命臣義邦、使作海軍營之基、夫吾那方今急務、莫急干海軍、將以此營始、英旨振起士氣實干是、可謂當時之偉圖而 千歳之鴻基也、願大君踞床指畫之處、恐其久而湮沒也、臣義邦謹勒于石以貽永世云  
  元治元年歳次甲子冬十月八日  軍艦奉行安房守勝物部義邦撰


 
 
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今月の貿易統計

 

 

【2005年6月分】http://www.kobe-customs.go.jp/80boueki/01shiryo.htm
                   
神戸港 輸出 4,288億円 (前年同月比+  0.7%) 19ヶ月連続プラス
輸入 2,007億円 (    同  +  4.9%) 13ヶ月連続プラス
全 国 輸出 5兆4,799億円 (    同  +  3.6%) 19ヶ月連続プラス
輸入 4兆6,068億円 (    同  + 11.0%) 16ヶ月連続プラス


一口メモ    
  ・ 神戸港の輸出額は米国向けの医薬品などが減少しましたが、台湾向けの科学光学機器や米国向けの電池などが増加しました。
  ・ 一方、輸入額は中国からの音響・映像機器(含部品)などが減少しましたが、チリからの金属鉱及びくずや中国からの無機化合物などが増加しました。
  ・ その結果、輸出入の総額は6,296億円(前年同月比2.0%増)と微増ながらも19ヵ月連続の増加となりました。

【2005年上半期分】http://www.kobe-customs.go.jp/80boueki/01shiryo.htm
                   
神戸港 輸出 2兆4,775億円 (前年同期比+  7.2%) 7期連続の増加
輸入 1兆1,693億円 (    同  +  7.0%) 6期連続の増加
全 国 輸出 30兆8,172億円 (    同  +  4.1%) 7期連続の増加
輸入 26兆2,897億円 (    同  + 12.1%) 6期連続の増加


一口メモ    
  ・ 神戸港の輸出額は世界的な設備投資等の好調を反映し、建設用・鉱山用機械や金属加工機械などの一般機械(2004年全国シェア11.5%)が増加したことから全国比は0.2ポイント増加の8.0%となりました(増加額では五大港(東京港、横浜港、名古屋港、大阪港、神戸港)最大の1,655億円)。
  ・ 一方、輸入額は特殊鋼などに使われるモリブデンなどの金属鉱及びくずが増加しましたが、価格の高騰した原油及び粗油等の鉱物性燃料の取扱いが比較的少ない(全国シェア2004年0.3%)ことから全国比は0.3ポイント減少の4.4%となりました。
  ・ その結果、輸出入の総額は3兆6,468億円(前年同期比7.1%増)と、7期連続の増加となりました(全国比は6.4%で増減なし)。
  ・ なお、対中国の輸入額は化学製品などが増加し、上半期としては過去最高でした。

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お知らせ

 

◎「みなとKOBEの原風景」展からB

 4月30日のメモリアルフェスタでは、(財)人と防災未来センターの協力を得て、終戦直後から60年近く、神戸港や異人館等を独特のタッチで描き続けられている  元鉄道マン「宇佐美 重」氏の「みなとKOBEの原風景」特別展を開催しました。

 当日、ご来場できなかった方に、特別展で展示した懐かしい作品をシリーズで紹介します。



             
旧神戸生絲検査所(南側)
昭和22年3月画

神戸生絲検査所は、昭和2年竣工の市立検査所(税側)と昭和7年竣工の国立検査所(南側)からなっていた

進駐軍の進攻に伴い、一時的に宿舎に使用された

今は線路も撤去され、生絲検査所も昭和55年に廃止
(農林水産消費技術センター)
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